この記事では、ビジネスシーンでもよく使われる言葉の「御宅」と「拙宅」について、それぞれの意味や使い方、および二つの言葉の違い等を分かりやすく説明します。
「御宅」とは?
「御宅」の読みは、「おたく」で、「相手の方や第三者の方の住居や家庭こと」を敬って表現する言葉です。
「宅」が「住居や家庭」で、そこに尊敬の意味の接頭語の代表的な言葉の「御、ご」が付けられた言葉です。
ものを表す言葉の上に付けられ、尊敬の念を示す接頭語としては、「御、お、ご」の他に、「貴」や「尊」「令」や「高」などが挙げられます。
ビジネスでは、取引先等の会社を表現する際に、「御社」や「貴社」と表現されるのと、同様の使い方です。
「御宅」の使い方
尊敬の意味を示す「御」が付けられているので、相手の方や、第三書の方の「住宅や家庭」を指して、以下の例文の様に使われます。
・『明日は、部長の御宅にお邪魔する予定です』
・『あの専務の御宅は、ご近所で有名な豪邸です』
・『ご要望の品物が入荷すれば、御宅までお届けに参ります』
「拙宅」とは?
「拙宅」の読みは「せったく」で、「自分の住宅・家」を謙遜して表現する言葉です。
これは、「宅」に謙譲の意味の接頭語の「拙」が付けられた言葉です。
この謙譲の接頭語の「拙」は、武士が自分の呼称として使っていた「拙者」でも使われています。
また、自分のものや、様子を目上の人に言う際には、ここで使われている「拙」の他に、「幣」や「小」や「愚」などがあります。
ビジネスシーンでは自社のことを「弊社」と表現するのも、同様の使い方です。
「拙宅」の使い方
「拙宅」は、「自分の住宅、自宅」を謙遜して表現する言葉で、以下の例文の様に使われます。
・『課長が拙宅に弔問に来てくださいました』
・『拙宅にお呼びするのは気が引けます』
・『拙宅の新築時には、部長からも、お祝いの品を頂きました』
「御宅」と「拙宅」の違い
「御宅」と「拙宅」は、いずれも「住宅、家」を意味する言葉です。
この「住宅、家」を意味する「宅」に、尊敬を意味する接頭語の「御」が付けられたのが「御宅」で、謙譲の接頭語の「拙」が付けられたのが「拙宅」で、「御宅」は尊敬語表現であり、「拙宅」は謙譲語表現と言う違いがあります。
「御宅」は、多くの人が使い慣れた言葉ですが、「拙宅」の言葉を知っていて、使われる方は非常に少ないと言えます。
ビジネスシーンで頻繁に使われる「会社」に対する尊敬語表現の「御社」や「貴社」、そして謙譲語表現の「弊社」と同様に、しっかり覚えておきたい言葉と言えます。
まとめ
「御宅」と「拙宅」は、いずれも「住宅、家」を意味する言葉で、「御宅」は尊敬語表現で、「拙宅」は謙譲語表現と言う違いがあります。