「お会いになる」と「お目にかかる」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきます。
「お会いになる」とは?
「お会いになる」は、「会う」を敬語で表現したものです。
「会う」を敬語表現する場合には「お会いになる」と「会われる」の二つの選択肢があります。
一般的に、「会われる」は受動表現と混同しやすいため、「お会いになる」のほうが分かりやすい敬語とされています。
いずれにせよ「会う」を敬語表現する場合には、敬意を示す相手の動作に対して使用されます。
「お会いになる」と述べた場合、動作している人が、敬意を示す相手なのです。
「お目にかかる」とは?
「お目にかかる」も「会う」を意味する言葉です。
しかしこちらは、「会う」をへりくだって表現した謙譲語なのです。
謙譲表現は自分を低めるために使用する言葉です。
自分を低めることで、相対的に相手を高め、それにより敬意を示すという技法なのです。
このことからも分かる通り、「お目にかかる」と表現した場合には、動作している人は自分になります。
なお、「お目にかかる」には、「会う」以外にも、「目にとまる」などの意味もあるので、覚えておくとよいでしょう。
「お会いになる」と「お目にかかる」の違い
それでは、「お会いになる」と「お目にかかる」の違いは何でしょうか。
どちらも「会う」を意味する言葉という点は同じです。
しかし、「お会いになる」は敬語であり、「お目にかかる」は謙譲語なのです。
これは、「会う」動作を誰が行うかで、言葉を使い分ける必要があることを意味しています。
相手が「会う」のであれば「お会いになる」ですし、自分が「会う」のであれば「お目にかかる」になるのです。
「お会いになる」の例文
ここでは、「お会いになる」の例文を挙げます。
例文のとおり、敬意を示す相手の行動として「お会いになる」を使えば、正しい使い方になると言えます。
・『キーマンにだけは、お会いになるのがよろしいかと存じます』
・『あのような人物に、お会いになるには及びません』
・『相手にお会いになるには、理由が必要になるでしょう』
・『部長がお会いになるとは、思ってもみませんでした』
「お目にかかる」の例文
ここでは、「お目にかかる」の例文を挙げます。
例文のとおり、自分が「会う」という行動に対して使えば、正しい使い方になると言えます。
・『〇〇様にお目にかかるのを心待ちにしております』
・『お目にかかるまではあきらめません』
・『お目にかかるのもおこがましいと存じます』
・『お目にかかるためなら何でもしましょう』
まとめ
このように「お会いになる」と「お目にかかる」は「会う」を意味する言葉です。
しかし、「会う」の行動主体が誰かで、使い分ける必要があるのです。
間違った使い方をしないように、十分に注意するのがよいでしょう。