「お掛けになる」と「お座りする」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきます。
「お掛けになる」とは?
「お掛けになる」は、「座る」を敬語で表した言葉です。
これは、相手の「座る」という行動に対して、敬意を示して表現したものです。
また、「座る」の敬語表現には「座られる」もあります。
どちらも敬語表現としては正しいものです。
しかし、「お掛けになる」のほうが丁寧な敬語であると言えます。
これは「座られる」が簡易的な変換により丁寧にしているのに対して、「お掛けになる」では言葉全体が言い換えられているためとも言えます。
「お座りする」とは?
「お座りする」は、「座る」を意味する謙譲語です。
自分の「座る」という行動を、へりくだって表現する場合に使用します。
これは、自分が「座る」ことを相手に丁寧に述べる言葉ですので、実際には使用する機会が少ない言い回しです。
ただし、普段使う機会が少ないだけに、いざ敬語で表現したい場合に言葉が出てこないものとも言えます。
「お座りする」というと、子供や犬のしつけが頭に浮かぶことでしょう。
しかし実際は、自分の「座る」を表現する謙譲語として、使用できる言葉なのです。
「お掛けになる」と「お座りする」の違い
それでは「お掛けになる」と「お座りする」の違いはどこにあるでしょうか。
「お掛けになる」は敬語であり、「お座りする」は謙譲語です。
そのため、どちらも「座る」を意味する言葉ですが、行動する人が違うのです。
「お掛けになる」は尊敬すべき相手の行動を示して使います。
しかし、「お座りする」は自分の行動をへりくだって表現するために使うのです。
このように、「お掛けになる」と「お座りする」は、どちらも「座る」を意味する敬語です。
しかし、その「座る」という行動を誰が行うかによって、いずれかの言葉を選んで使用する必要があるのです。
「お掛けになる」の例文
ここでは「お掛けになる」の例文を挙げていきます。
例文のように、相手が「座る」行為に対して敬意を込める場合に使用するとよいでしょう。
・『空いていた席にお掛けになる』
・『座椅子にお掛けになる』
・『そのような場所にお掛けになるのはお止めください』
・『お掛けになるまで待ちます』
「お座りする」の例文
ここでは「お座りする」の例文を挙げていきます。
例文のように、自分が「座る」行為をへりくだって表現するために使うとよいでしょう。
・『私がこの席にお座りすることにしましょう』
・『私がお座りするので気になさらず』
・『私どもがお座りするのをお待ちいただきたく』
・『私が先にお座りするようにいたします』
まとめ
このように「お掛けになる」と「お座りする」は、どちらも「座る」を意味する言葉です。
しかし、「お掛けになる」が敬語なのに対して、「お座りする」は謙譲語なのです。
このことから、「座る」という行動を誰が行うのかによって、二つの言葉を上手に使い分ける必要があるのです。