似たような表現に「される」と「なさる」があります。
ビジネスで使う場合の使い方や違いについて、例文を交えて分かりやすく解説していきます。
「される」とは?
まず「される」について説明していきます。
「される」は「する」の尊敬語です。
同じ「される」でも「指摘される」などの受動表現とは異なります。
目上の人に対して「あなたがされた功績は」のような使い方をするのです。
「される」の使い方
ここでは「される」の例文を挙げていきたいと思います。
いずれの場合も、ある特定の人物に対する尊敬の念を「される」という表現で表しているのです。
・コンセプトを非常に大切にされています
・プロジェクトでは大変な苦労をされています
・絶妙なを表現されています
「なさる」とは?
それでは「なさる」とは、どういう意味なのでしょうか。
実は「なさる」も「する」の敬語表現なのです。
「される」と同じく、目上の人に対して「あなたがなされた功績は」という使い方ができます。
「なさる」の使い方
ここでは「される」の例文を挙げていきたいと思います。
ここでは、「される」と全く同じ例文を「なさる」に置き換えています。
ここで注目すべきは、意味は変わっていないという点です。
・コンセプトを非常に大切になされています
・プロジェクトでは大変な苦労をなされています
・絶妙なを表現なされています
「される」と「なさる」の違い
それでは「される」と「なさる」の違いは、どこにあるのでしょうか。
結論としては意味は同じになります。
ただし、「なさる」のほうが「される」よりも、尊敬の度合いが強いと考えると分かりやすいでしょう。
これは感覚的にも分かると思います。
「ゴルフをされる」よりも「ゴルフをなさる」のほうが、表現としてより格式が高いような印象を受けるはずです。
これらの2つの表現について、使い分ける場合の明確な決まりや基準はありません。
しかし、敬意の度合いが違うという事を認識するだけでも、あなたの言葉の選択の幅は広がるでしょう。
より適切な言葉を選択するためには、言葉が持つ関係や意味を十分に理解しておくことが、大切になるのですから。
まとめ
このように「される」と「なさる」は、違うようで同じ意味の表現です。
しかし同じようで違うニュアンスを持つ表現でもあります。
ビジネスの現場で使う場合も、特に誤用に注意する必要はないと言えます。
どちらを使っても、大きな違いはないためです。
しかし、せっかく今回の説明で「ちょっとした違い」を理解したわけですから、今後は場面や相手に応じて使い分けてみるのも面白いでしょう。
言葉の意味を分かるということは、自分の世界を広げてくれるものなのです。