この記事では、「あいにく」と「残念ながら」の違いを分かりやすく説明していきます。
「あいにく」とは?
「あいにく」は「生憎」と書き、意味は以下の通りです。
1つ目は「目的や期待に添わないこと」という意味で、最初から思っていた通りにならず心残りに思うことです。
2つ目は「都合の悪い様子」という意味で、そうしたいと思っているのにできない事情があって心残りに思うことです。
3つ目は「タイミングが悪い様子」という意味で、丁度折が良くない状態で、うまくいかずにもったいないと思うことです。
上記に共通するのは「うまくいかずに心残りがある」という意味です。
「生憎」は「あやにく」という言葉が変化したものです。
「あや」は「ああ」「あら」など感情を表す意味の感動詞で、「にく」は「憎らしい」という意味、「あいにく」で「ああ憎らしい」という意味でした。
「憎らしい」は古語で「しゃくにさわる」「気に入らない」という意味で、ここから「心残りなこと」として使われる様になりました。
「あいにく」の使い方
「あいにく」は名詞・形容動詞として「あいにくだ・である」「あいにくの雨」などと使われたり、副詞として「あいにく留守にしております」などと使われます。
基本的に、目的や期待に添わず心残りな様子や、タイミングが悪く惜しい様子に使われる言葉です。
「残念ながら」とは?
「残念ながら」は「残念乍ら」と書き、意味は以下の通りです。
1つ目は「ものごとを物足りなく思うけれど」という意味で、不満はあるけれどもその様な結果になることです。
2つ目は「悔しく思っているが」という意味で、後悔する点はあるがその様な結果になることです。
3つ目は「無念ではあるが」という意味で、まだ未練があるけれどもその様な結果になることです。
上記に共通するのは「心残りはあるが」という意味です。
「残念ながら」の「ながら」は、2つの矛盾する事柄をつなぐ接続詞で、「~にもかかわらず」「からではあるが」という意味、「残念ながら」で、「残念ではあるが」になります。
「残念ながら」の使い方
「残念ながら」は副詞として「残念ながら~です・でした」と文節を伴って使われます。
基本的に、ものごとに対して心残りはあるけれども、否定的な結果になる様子に使われる言葉です。
「あいにく」と「残念ながら」の違い
「あいにく」は「目的や期待に添わず心残りな様子」「タイミングが悪く惜しい様子」という意味です。
「残念ながら」は「ものごとに対して心残りはあるけれども、否定的な結果になる様子」という意味です。
「あいにく」の例文
・『あいにく〇〇は席をはずしております』
・『あいにくの空模様ですが、晴れやかに参りましょう』
・『あいにくその商品は品切れになっております』
・『あいにく手持ちがございませんので本日は遠慮致します』
「残念ながら」の例文
・『残念ながら間に合いませんでした』
・『台風の為残念ながら本日の公演は中止になりました』
・『残念ながら別の予定があって行けません』
・『残念ながら既に他の人に決まってしまいました』
まとめ
今回は「あいにく」と「残念ながら」について紹介しました。
「あいにく」は「期待や目的に沿わず心残りなこと」、「残念ながら」は「心残りはあるがその様になること」と覚えておきましょう。