この記事では「差し出がましい」と「厚かましい」の違いについて解説をします。
「差し出がましい」とは?
しなくてはならない以上に、他人の事柄に関係しようとすることです。
限度を超えた感じがあります。
「差し出」には、身の程をわきまえずにでしゃばった行動に出るという意味があります。
「がましい」は~のようすである、~の傾向があるという意味です。
たとえば、上司がこれから他社と会食をすることになったとします。
ネクタイをいくつか用意しており、どれにしようか悩んでいました。
上司に対して部下が「これがいいですよ」などいうのは、やや行き過ぎた行動かもしれません。
悩んでいる上司に対して「このネクタイがいいですよ」などアドバイスをすれば、この言葉が意味するものになります。
「差し出がましい」の使い方
何かをする側が目上の者やクライアントなどに対して使用する言葉です。
たとえば、自分よりも上の立場にある人に対して、「ここをこうした方がいい」などアドバイスをしたかったとします。
下の者から上の者に対してアドバイスをするのは、でしゃばった行為といえるでしょう。
そういったときに、「差し出がましいですが」など前置きをしてから、アドバイスをします。
自分でもでしゃばった行為だとは思いますがといった意味合いのことをあらかじめ伝えておくと、何も言わないときと比べて印象が変わります。
「厚かましい」とは?
ずうずうしく、人に対しての行動や言葉に控えめなところがないという意味です。
離れて暮らしている親戚がいたとします。
この親戚は、たびたび我が家にやってきて、夕食を食べていきます。
こちらが誘っているのではなく、勝手にやってきて、勝手に食べていきます。
この態度はずうずうしいといえるでしょう。
このような他人の行動を指す場合もあれば、自分の行動を指す場合もあります。
たとえば、クライアントと面会をしたかったとします。
本来はクライアントに都合を優先させるべきところでしょうが、どうしてもこちらの都合で面会をしてもらわなければなりません。
自分優先でずうずうしい態度といえるでしょう。
このような自分側の態度のことも意味します。
「厚かましい」の使い方
相手に何かをお願いするときにお願いする側が使用をすることもあれば、他人の言動を指して使用することもあります。
他人の言動を指す場合、よい意味では使われません。
「差し出がましい」と「厚かましい」の違い
前者は行き過ぎた行動といった意味で、後者はずうずうしい言動という意味です。
前者はそれをする人が使い、後者はそれをする人が使うこともあれば、他人の言動を指して使うこともあります。
まとめ
どちらもクッション言葉として使われるものです。
一方は出過ぎていることかもしれませんがといった意味で、もう一方はずうずうしくて言動に控えめなところがないという意味です。
誰が使うのかにも違いがあります。