「お買いになる」と「買わせていただく」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など分かりやすく解説していきます。
「お買いになる」とは?
「お買いになる」は「買う」を敬語で表現する場合に使用します。
これは、相手の「買う」行為に敬意を示して表現するものです。
そのため、目上の人が家を「買う」ことに言及して「家を買う」とそのまま表現してはいけません。
相手に対する敬意を示して「家をお買いになる」と表現するのがよいのです。
このように、全ての動詞には敬語表現があります。
相手に対して敬意を示す場合には、敬語表現に言い換えて使用する必要があるのです。
「買わせていただく」とは?
「買わせていただく」も「買う」を意味する言葉です。
これは「買う」と「いただく」で構成されています。
そして「いただく」は「もらう」を意味する謙譲語なのです。
そのため、「買わせていただく」は「買わせてもらう」をへりくだって表現した言葉です。
そして謙譲語は、自分の行動に対して使用できる言葉です。
このことから「買わせていただく」と表現した場合に、何かを「買う」のは自分であると言えます。
「お買いになる」と「買わせていただく」の違い
それでは「お買いになる」と「買わせていただく」では何が違うのでしょうか。
「お買いになる」は、敬意を示すべき相手の行動を示す場合に使う言葉です。
いっぽうの「買わせていただく」は、自分の行動を示す場合に使う言葉なのです。
どちらも丁寧な表現の動詞です。
しかし、誰の動作に使うかによって「お買いになる」と「買わせていただく」で使い分けが必要なのです。
「お買いになる」の例文
ここでは「お買いになる」の例文を挙げていきます。
「お買いになる」が尊敬語であり、相手に対して使う言葉であることに注意しましょう。
・『現地でお買いになるのが効率的です』
・『今こそお買いになるべきです』
・『こんなにお買いになるとは思いませんでした』
・『まさかお買いになるほど欲しかったとは』
「買わせていただく」の例文
ここでは「買わせていただく」の例文を挙げていきます。
「買わせていただく」が謙譲語であり、自分に対して使う言葉であることに注意しましょう。
・『後学のために買わせていただく所存です』
・『私が買わせていただくのが最もよいと存じます』
・『買わせていただくために用意して参りました』
・『こちらを買わせていただくのが夢でした』
まとめ
このように「お買いになる」と「買わせていただく」は、どちらも「買う」を意味する言葉です。
しかし、前者は尊敬語であり、後者は謙譲語です。
そして、それぞれの特性をもとに、使う対象に応じた言葉の選択が必要になるのです。