この記事では、ビジネスシーンでしばしば使われる慣用句の「幸いに存じます」と「幸いでございます」について、その違いを例文を交えて分かりやすく説明します。
「幸いに存じます」とは?
「幸いに存じます」における「存じます」は、「思う」の謙譲語の「存ずる」に、丁寧語の「ます」を付けて構成された言葉で、「思います」の謙譲語、すなわち敬語表現となります。
また、その前の「幸い」は「嬉しい」ことを意味し、この慣用句の前に述べられた事柄に対して、「そうしていただければ嬉しい」ことを表現する言葉です。
従って「幸いに存じます」は「そうしていただければ嬉しいと思います」との意味の敬語表現となります。
「幸いに存じます」の使い方
・『メールに添付の資料を、ご確認いただければ幸いに存じます』
・『明後日までに追加注文の品物が到着するように、発送いただければ幸いに存じます』
・『ノーベル賞を受賞された先生に、学園祭で特別講演をしていただければ幸いに存じます』
「幸いでございます」とは?
「幸いでございます」における「ございます」は「ある」の謙譲語の「ござる」に丁寧語の「ます」を付けて構成された言葉で、「あります」の謙譲語表現となります。
従って、「幸いでございます」は、「そうしていただければ嬉しいです」と言う意味の敬語表現と言えます。
「幸いでございます」の使い方
・『この資料を早急にチェックしていただければ幸いでございます』
・『ほんのつまらぬものですが、お口に合えば幸いでございます』
・『お忙しいとは存じますが、明日ご足労いただければ幸いでございます』
「幸いに存じます」と「幸いでございます」の違い
「幸いに存じます」と「幸いでございます」は前の1,2項で説明した様に、言葉の構成は少し異なりますが、いずれも「そうしていただければ嬉しい」ことを表す敬語表現です。
意味としては、ほとんど違いがなく、かついずれも、謙譲語+丁寧語で構成された敬語表現です。
しかし、「幸いでございます」よりも「幸いに存じます」の方が、より丁寧で高い敬意を表す慣用句だと言えます。
従って、目上の人に使う場合にも、その人との親交度合いや関係性に応じて、二つの慣用句を上手に使い分けるのがベストと言えます。
まとめ
「幸いに存じます」と「幸いでございます」は、いずれも「そうしていただければ嬉しい」ことを意味する敬語表現です。
ただし、「幸いでございます」よりも「幸いに存じます」の方が、より丁寧で、高い敬意を示す表現と言えます。
従って、目上の人に使う場合にも、その親交度合いや関係性に応じて、二つの慣用句を使い分けるのが良いと言えます。