「拝察いたします」と「存じます」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など分かりやすく解説していきます。
「拝察いたします」とは?
「拝察」は「推察する」に意味で使用できる謙譲語です。
「拝」という字は「おがむ」という意味で使用され、行動を示す漢字と組み合わせることで謙譲語を作れます。
ここでは「拝察」としていますが、他にも「拝命」、「拝読」、「拝見」などのように使用できるのです。
また、ここでは「する」の謙譲語である「いたす」を使用しています。
そのため、「拝察いたします」は「推察する」を謙譲語で表現したものだと言えるのです。
「存じます」とは?
「存じます」は「存ずる」と「ます」に分解できます。
「存ずる」は「思う」を意味する謙譲語です。
これに丁寧語の語尾である「ます」を付与して「存じます」としているのです。
このことから、「存じます」は「思う」を謙譲語で表現したものだと言えるのです。
「拝察いたします」と「存じます」の違い
それでは「拝察いたします」と「存じます」の違いはどこにあるのでしょう。
「拝察いたします」は「推察する」です。
つまり、予測を示しています。
これに対して「存じます」は「思う」です。
つまり、思考を示します。
そして、予測と思考は違うものです。
この違いが「拝察いたします」と「存じます」の違いなのです。
予測は何かしらの前提や予想が入るものですが、思考はただ思うだけなのです。
どちらも謙譲表現を使用した言葉ですが、平易な言葉に置き換えると意味の違いが分かりやすくなるのです。
「拝察いたします」の例文
「拝察いたします」の例文を挙げていきます。
推察するという意味で使用していることに注意しましょう。
・『明日には結果が出るものと拝察いたします』
・『市場が断続的に回復するであろうと拝察いたします』
・『チェックするのは大変に違いないと拝察いたします』
・『その件はまだ知らないのではと拝察いたします』
「存じます」の例文
「存じます」の例文を挙げていきます。
ここでは「拝察いたします」と同じ使い方をしています。
しかし、「存じます」を使う事で、「思います」の意味で使用されていることに注意しましょう。
・『明日には結果が出るものと存じます』
・『市場が断続的に回復するであろうと存じます』
・『チェックするのは大変に違いないと存じます』
・『人その件はまだ知らないのではと存じます』
まとめ
このように「拝察いたします」と「存じます」は、どちらも謙譲語の表現です。
しかし、「拝察いたします」は「推察する」を、「存じます」は「思う」を意味する言葉です。
同じように思考を表す言葉ですが、違いに注意して使い分けるべきなのです。