この記事では「ご迷惑」と「お手数」の違いについて解説をします。
「ご迷惑」とは?
ある行為によって、他のものが不利益を受けたり、不快に感じたりすることという意味です。
「ご迷惑」は「迷惑」に「ご」をつけた言葉です。
迷惑には、ある行為がもとで他者が不利益を受けたり、不快に感じたりすることという意味があります。
どのような行為を不快に感じるかは人それぞれ異なります。
「ご」は他人に及ぶ行為や、他人の行為を表す語について、その行為が及ぶものや、その行為をしているものに対して敬意を表す語です。
この言葉の場合は、迷惑を受けているのは話し手以外の人です。
「ご迷惑」の使い方
この言葉は、話し手以外の人が迷惑を受けたとき、または迷惑を受けたであろうときに使用をします。
「ご」をともなった言葉を使用して、他者に対して敬意を表しています。
たとえば、このようなときに用います。
自社の過ちによって、他社に納品する商品の数が依頼されていたものとは違ってしまいました。
他社が求めていたよりも少なく届いてしまったのです。
届いたものが少なかったことで、他社は不利益を受け、また不快にも思いました。
相手に迷惑をかけているので、こういったときには過ちをした方が謝罪の言葉を述べます。
その謝罪の言葉で「ご迷惑」が使用されます。
「ご迷惑をおかけしました」などと用いるのです。
「お手数」とは?
他人のためにわざわざかける時間や労力という意味です。
「お手数」は「手数」に「お」をつけた言葉です。
手数には、他人のためにわざわざ時間や労力をかけることという意味があります。
「お」は名詞につくと尊敬の意を表します。
「お手数」の使い方
この言葉は、他人に時間や労力をかけさせてしまうときに用います。
時間や労力がかかることをするのは他人で、話し手ではありません。
ATMの使用のことで考えてみます。
ATMを操作して現金を引き出したかったのですが、操作を誤ってしまい、最初からやり直すことになりました。
最初からやり直すのは、時間も労力も必要とします。
その際にATMから「お手数ですが~」というアナウンスが流れます。
人と人とのやり取りのときにも用いられます。
たとえば、何かに目を通して欲しいとき、何かに出席して欲しいときなどです。
主にお願いをするときにクッション言葉として用いられます。
「ご迷惑」と「お手数」の違い
前者は、不利益を受けたり、不快に感じたりすることという意味を持っています。
そういったものを受けたり感じたりしているのは他人です。
後者は、時間や労力がかかることという意味を持っています。
時間がかかっても、不利益になったり、不快に感じたりするとは限りません。
時間をかけたりしなければならないのは話し手以外の人です。
まとめ
似たような場面で使用される2つの言葉ですが、それぞれの意味は異なります。