この記事では、ビジネスシーンでしばしば使われる「ご利用になる」と「利用させていただく」について、それぞれの意味や使い方、二つの言葉の違い等を分かりやすく説明します。
「ご利用になる」とは?
「利用する」の意味は言うまでもなく、「役立つようにうまく使うこと」を意味する言葉です。
「ご利用になる」は、この「利用する」の尊敬語です。
また、「利用する」の尊敬語表現としては、「利用なさる」もあり、目上の人が利用することを指す場合に、いずれかの言葉が使われます。
「ご利用になる」の使い方
「ご利用になる」は、尊敬語表現なので、目上の人が「利用する」際に、以下の例文のように使われます。
・『○○先輩は、普段は山手線をご利用になって通勤されています』
・『こちらのテーブルをご利用になってください』
・『弊社の部品をいつもご利用になっていただき、誠にありがとうございます』
「利用させていただく」とは?
「利用させていただく」は、「利用するの」謙譲語表現です。
正確には、「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語なので、「利用させていただく」は「利用させてもらう」の謙譲語です。
この言葉は、何となくおかしい表現に感じられますが、二重敬語でもなく、正しい謙譲語表現です。
しかし、何となく違和感が払拭できない方は、「利用する」の「する」の謙譲語である「いたす」に丁寧語の「ます」を付けて、「利用いたします」との表現を使われても良いでしょう。
「利用させていただく」の使い方
自分が「利用する」際に、謙譲の気持ちを込めて、目上の人に使う言葉で、以下の例文のように使われる言葉です。
・『次回、利用させていただく予定です』
・『御社の製品を利用させていただいております』
・『過去には何度もこの路線を利用させていただいていました』
「ご利用になる」と「利用させていただく」の違い
「ご利用になる」は「利用する」尊敬語で、目上の人が「利用する」場合に使われる言葉で、一方の「利用させていただく」は、自分が「利用する」ことを、目上の人に謙遜の意味を込めて使う、謙譲語です。
意味は同じで、いずれも敬語表現ですが、尊敬語と謙譲語の違いがある言葉で、ビジネスでの使用シーンは、全く異なります。
敬語表現を正しく使えることは、ビジネスマンにとっては大切なことであり、本記事で対比した言葉以外でも、尊敬語と謙譲語を正しく使い分けられるようにしたいものです。
まとめ
「ご利用になる」は「利用する」尊敬語で、目上の人が「利用する」場合に使われる言葉で、一方の「利用させていただく」は、自分が「利用する」ことを、目上の人に謙遜の意味を込めて使う、謙譲語です。
同じ敬語表現でも、尊敬語と謙譲語の違いがあるため、使い方は全く異なります。