「割愛」と「省略」の違いについての解説です。
「割愛」とは?
この言葉は、元々は仏教で使用されていた用語で、故郷から離れることを、「割愛」と言われていました。
そして、「割愛」の意味は残念に思いながら、何かを取り除くという意味を持ちます。
よって、ビジネスにおいてこの言葉を使用した場合、対象となる物について残念な気持ちを持ちつつ排除するのです。
例を挙げますと、「自動車工場の誘致の説明に関しましては、割愛します」という具合に、本来説明すべく点を残念ながら時間が押しているということであえて説明しない点について残念であるというのがこの例です。
「割愛」の使い方
この言葉は、相手に対して印象を操作する言葉で、つまりビジネスであれば、相手側にこちら側が残念に思っていますという気持ちを伝えて印象を操作するのがこの言葉です。
よって、「説明を割愛」と言えば、これは、残念ながら説明を省かなくてはいけないという意味になり、印象においては、「割愛」という言葉を述べた側の残念な気持ちが浮き彫りになり、印象を操作できるのです。
「省略」とは?
「省略」は、省くことで説明を省き、簡素にすることです。
そのうえで、「省略」は、事務的に物事を省く行為なので、「割愛」の様に残念な気持ちというものを前面に押し出しません。
よって、「省略」は、ビジネスにおいては相手に対して残念な気持ちを前面に押し出す印象付けを行いません。
「省略」の使い方
「省略」は、話を省くために使用し、別に話を省いても問題にならず、両者も別に後悔したり、残念な気持ちにならない場合、「省略」という言葉を使用して話を省きます。
「割愛」と「省略」の違い
両者の違いは、印象付けにおいて、残念だという後ろ向きの気持ちを前面に押し出すか否かです。
「割愛」は、残念な気持ちを前面に押し出すので印象付けが可能で相手に対して後悔の念や後ろ向きな感情を示せます。
一方、「省略」は、後ろ向きな感情が無いのであくまで物事を省いたという印象になります。
まとめ
「割愛」については、これは、ビジネスにおいては印象付けになり、マイナスの感情を持っていることを前面に出しています。
ビジネスの席でマイナスの感情を出すのはどうかと思われますが、これは一つの手段で、説明を省かないとならないことを伝えることで相手に対して、後悔をしていることを伝えているわけです。
一方、「省略」の場合は、どちらかというと事務的な感じであくまで、時間が限られているがゆえ、一一時間を割いて説明するだけの時間がない場合などで使用し、こちらは、マイナスに受け取る感情を出しません。
よって、「省略」という言葉を受け取る側もマイナスの感情が向けられていることを自覚しませんのであくまで、「省略」は、マイナスの感情が存在しない中話を省いて進める行為を指します。
両者をうまく使い分ければ、ビジネスの席においては相手側は、説明をきちんとできないことについて負い目を感じているという具合に印象を操作できるわけです。