「お忙しいとは存じますが」と「ご多用のところ恐れ入りますが」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきたいと思います。
「お忙しいとは存じますが」とは?
まずはじめに「お忙しいとは存じますが」について解説していきます。
「お忙しい」は文字通り「忙しい」ことを示す敬語表現です。
また「存じます」は「思う」を意味しています。
これらのことから「お忙しいとは存じますが」が意味するところは「忙しいと思うけど」ということになります。
「ご多用のところ恐れ入りますが」とは?
つぎに「ご多用のところ恐れ入りますが」を解説します。
「ご多用」は「用事が多い状態」つまりは「忙しい」状態を意味します。
また「恐れ入る」は「相手に対して申し訳なく思うさま」を示す言葉です。
そのため、文章全体としては「忙しいところ悪いが」と表現するものなのです。
「お忙しいとは存じますが」と「ご多用のところ恐れ入りますが」の違い
それでは「お忙しいとは存じますが」と「ご多用のところ恐れ入りますが」の違いはどこにあるでしょうか。
どちらを使うか迷う場合の答えは「どちらでも問題ない」です。
一般的な使われ方としては、大差がないのです。
しかし、厳密にいえば「お忙しいとは存じますが」は「忙しいと思っているところ」までを表現してます。
これに対して「ご多用のところ恐れ入りますが」は「忙しので申し訳ないと思っている」なので、最終的なステータスは申し訳ない気持ちにまで至っているのです。
「お忙しいとは存じますが」の例文
ここでは「お忙しいとは存じますが」の例文を挙げていきます。
・『お忙しいとは存じますが、ご調整願います』
・『お忙しいとは存じますが、お時間下さい』
・『お忙しいとは存じますが、質問したく』
・『お忙しいとは存じますが、対応願います』
「ご多用のところ恐れ入りますが」の例文
ここでは「ご多用のところ恐れ入りますが」の例文を挙げていきます。
例文から「お忙しいとは存じますが」と全く同じ使い方をしても成立することが分かるはずです。
・『ご多用のところ恐れ入りますが、ご調整願います』
・『ご多用のところ恐れ入りますが、お時間下さい』
・『ご多用のところ恐れ入りますが、質問したく』
・『ご多用のところ恐れ入りますが、対応願います』
まとめ
このように「お忙しいとは存じますが」と「ご多用のところ恐れ入りますが」に大きな違いはなく、同様の使い方ができると言えます。
しかし、「思う」と「申し訳ない」との意味で、厳密にはニュアンスの異なる表現でもあります。
どちらの用法も誤りではないですが、うまく使いわけると上級者と言えるでしょう。