「ダメ元で」と「無理を承知で」の違いについて解説をします。
「ダメ元で」とは?
だめで元元のことです。
それをやってみて失敗したとしても、何もしなかったときと結果は同じであると考えることです。
思い切ってやってみるように促す言葉になります。
非常に無謀な提案をするときのことで考えてみます。
会議である提案をしてみようかと考えています。
それは常識的に考えると難しいことなので、会議で通るかわかりません。
そのため、提案をしようか、やめておこうか悩んでいるところです。
悩んでいることを知ったある人が、「通るかわからないけれど提案をしてみたら」と背中を押してくれました。
このときの言葉を「ダメ元でやってみたら」とも表現することができます。
ダメかもしれないと思ってやってみたら、通ってしまうこともあります。
やって失敗をしても、やらなくても、結果が変わらないならやってみては、と促す言葉です。
「ダメ元で」の使い方
敬語ではないので上司に対して使用すると失礼です。
また、取引先の相手に使用するのも不適切です。
上の者から下の者に対して使用するのは問題ありません。
やろうか、やらないか悩んでいる者に対して述べることが多くあります。
「無理を承知で」とは?
それをするのが難しいとわかっているけれど、といった意味です。
難しいお願いをするときの言葉になります。
「無理」には、実現をするのが困難なことという意味があります。
「承知」は、わかっていることという意味です。
たとえば、明日の朝までに資料を完成させて欲しかったとします。
そのことを伝えているのは、完成させて欲しい日の前日の夜です。
期限まで、あと数時間しかありません。
わずかな時間で資料を完成させるのは難しいでしょう。
それをわかっていながらお願いするときに、こういった言葉を用います。
「無理を承知で」の使い方
実現することが難しいお願いをするときに使用をします。
相手に無理をさせてしまうので、相手を思いやる言葉を添えるのが望ましいです。
一言添えるだけで印象が変わります。
たとえば「恐縮ですが」「申し訳ありませんが」などです。
後に続く言葉を丁寧にします。
「ダメ元で」と「無理を承知で」の違い
2つの言葉は使う場面に違いがあります。
前者は、やってみるように促すときに用いる言葉です。
敬語ではないので上司や取引先の相手に対しては使用しません。
後者は、お願いをするときに用いる言葉です。
上司や取引先の相手に使用できます。
まとめ
2つの言葉は難しい事柄について使うものですが、使う場面に違いがあります。
一方は行動するように促すとき、もう一方はお願いをするときに用いるものです。