「ご静聴願います」や「ご清聴ありがとうございました」と聞いたことがあるかと思います。
今回は「ご静聴」と「ご清聴」の違いをご紹介します。
「静聴」とは?
文字の通り「静かに聞く」ことです。
聴衆に対して、話し手ではない人物が「静かに聞くこと」を求める時に使います。
具体的な使い方としては「これから先生のお話が始まります。
ご静聴願います」のように、司会者など、話し手ではない人物が聴衆に対して用います。
自分がこれから話し始める時に「ご静聴願います」としてしまうと、「自分の話を静かに聞くように」と相手に求めてしまうことになります。
相手が目上の方など、失礼に当たる場合もありますので注意が必要です。
「清聴」とは?
「清聴」は自分の話を熱心に聞いてくれた聴衆を敬って使う言葉です。
そのため「ご清聴ありがとうございました」は、自分の話を熱心に聞いてくれた聴衆の姿勢に対して、尊敬と感謝を表わす言葉になります。
尊敬と感謝を表わすと同時に、スピーチやプレゼンを簡潔に締められる表現なので、活用する場面の多い表現です。
「ご清聴ありがとうございました」や「ご清聴に感謝いたします」などのように使います。
「静聴」と「清聴」の類語・関連語
「静聴」と「清聴」の類語・関連語には「傾聴」、「謹聴」、「拝聴」があります。
・「傾聴」は耳を傾けて熱心に聞くことです。
『傾聴に値する意見』などと使います。
・「拝聴」は敬意を払って聞くことです。
目上の方の話に「ありがたく耳を傾ける」という意味です。
『先生のご高話を拝聴することができ、大変勉強になりました』などと使います。
・「謹聴」は謹んでしっかり聞くことです。
「拝聴」に近い意味で使えます。
『会長のスピーチを皆で謹聴した』などと使います。
また、「ご清聴願います」のようにしっかり聞くことを求める場面でも使えます。
『謹聴してくださいますようお願いいたします』などと使います。
「ご静聴願います」と「ご清聴ありがとうございました」の英語表現
「ご静聴願います」の英語表現は“Please listen carefully”(注意してお聞きください)となります。
「ご清聴ありがとうございました」の英語表現は“Thank you for listening”(聞いてくださりありがとうございます)や“Thank you for your attention”(集中して聞いてくださりありがとうございます)になります。
まとめ
「ご静聴」と「ご清聴」はどちらも「ゴセイチョウ」と発音するため、紛らわしく間違いやすい言葉です。
使い方を間違えると相手に失礼に当たる場合もあるので、しっかり違いを理解する必要があります。
特に重要なのは「ご静聴願います」は話し手は使わない、ということです。
文章では漢字を間違って使用しないよう、注意が必要です。
両者の違いをしっかり理解し、シーンに合わせて活用してください。