「任命」と「拝命」の違いについての解説です。
「任命」とは?
「任命」は、ビジネスなどの席では、役職を与えるという意味で使用します。
役職については、部長や係長のように昇進という形で役割を社員に与えるのが「任命」です。
なお、「任命」は、命令になりますので、拒否権を行使する場合、相応の理由が必要になります。
また、「任命」は、昇進のほか、降格の承認も実は「任命」になるので、部長クラスから降格して係長になるように命令することも「任命」です。
「任命」の使い方
「任命」という言葉を使用できる立場にあるのは、命令することが許される立場の人のみです。
この権限を「任命権」と呼び、企業であれば、社長と役員が「任命権」を行使して命令をすることで「任命」という行為を行使します。
「拝命」とは?
「拝命」は、社長や役員から命令という形で役職を与えられたものが役職に就くことを承ったと表明するのがこの言葉です。
なので、「拝命」は、命令を受けたことに関して遂行するという意思表示で使用します。
なお、命令を受け、命令を拒み、「任命」を断った場合、「拝命」の意思表示は行われず申し開きという形でなぜ命令を遂行しないかを説明する義務は命令を拒否した側の責務として存在します。
「拝命」の使い方
「拝命」は、命令を受けてその命令を実行するという意思表示で使用する言葉です。
なので、命令を受けていない立場の者は遂行すべく命令がありませんので、「拝命」という言葉を使用することはありません。
また、命令無視や命令を拒否する拒否権を行使する場合、相応の理由が必要なので、「拝命」拒否をする場合名を受理できない理由が必要です。
「任命」と「拝命」の違い
両者の違いは、命令する側と命令を実行する側です。
「任命」は命令によって役職を与えるというものですが、「拝命」は、命令を受ける受け手側が命令に従うという意向を示すことです。
よって両者は、命令をする側と命令を受け実行する側になります。
まとめ
「任命」と「拝命」ですが、実はこの言葉昇進だけを意味するのではなく、降格を命令する場合と降格処分を受ける側がそれに従う場合も使用する言葉です。
なので、「部長職から係長に任命」と言えば事実上の降格で、それに従いたくない場合、命令が不服であるということを訴え、「拝命拒否」をすることが一応可能ですが、問題は、拒否権を行使する場合、正当性が会社に認められないと降格処分は拒否できない点にあります。
なお、降格処分を認めない場合、説得すべくは、権利を行使する側なので、社長及び役員の方を説得し、降格処分の撤回を要求するのが命令を受ける側の可能な行動です。
人事異動の拒否や降格の処分の不服は、原則が不当であるという部分が重要なので、この部分を不当だというにおいては、弁護士の力を借りるなどの方法を取り、会社に訴えを認めさせるという方法も社員が取れる行動なのですが、これを行うと会社側も黙っていませんので、自分が悪いことをした自覚が多少なりともある場合、素直に降格処分や人事異動に従うことも重要になります。