「ご意向にお任せします」と「ご判断にお任せします」の違いを解説します。
自信のない敬語を見分けていきましょう。
「ご意向にお任せします」とは?
「ご意向にお任せします」とは「希望通りに進めてください」を丁寧にした言い方です。
相手の望むように、思いのままやって欲しい場合につたえます。
もともと「意向」には「その人の考え、思惑」という意味があります。
そのため相手の思いや意見を尊重すること、判断をゆだねることが「ご意向にお任せします」になります。
もっとシンプルに言いたければ「ご意向に従います」や「ご意向に沿うようにします」などの敬語も、同じような意味としてつかえます。
色々な言葉の引き出しを用意しておいて、機敏に使い分けしていきましょう。
「ご判断にお任せします」とは?
「ご判断にお任せします」とは「細かい判断は、ゆだねます」の訳です。
仕事ぶりを信頼している人に投げかける、丁寧な言い方になります。
「責任をもって取り組んでもらえれば、ある程度自由にやってくれて構わない」というニュアンスが込められています。
おもに仕事の依頼先などに投げかける、上から下につたえる表現になります。
また社内である仕事を、別の人にお願いするときにも使えます。
物事の処理をお任せする、便利な言い回しです。
もっと分かりやすく言いたい場合は「細かい部分は、お任せします」や「諸々の作業はお任せしますので、よろしくお願いします」とつたえる方法もあります。
相手との関係を見ながら、うまく使い分けしていきましょう。
「ご意向にお任せします」と「ご判断にお任せします」の違い
・方針は「ご意向」処理は「判断」
「ご意向にお任せします」と「ご判断にお任せします」はどちらも「任せること」を前提とした、前向きな言葉になります。
異なるのは「ご意向」と「ご判断」という、前の部分です。
「ご意向」は進むべき方向性のこと。
AかBか2つのプランがあったら、どちらかに採択しなくてはいけないシーンを指します。
相手に決定権があること、自分としては相手の意見を尊重したいときに使うのが「ご意向にお任せします」です。
そして「ご判断にお任せします」は、細かい作業を相手に委ねたい場合に使います。
それなりに信頼関係がある人に対して、または経験のある人に対して、仕事を丸投げしたい時につかいます。
「ご意向にお任せします」と「ご判断にお任せします」は似ていますが、迷った場合は「お任せいたします」とシンプルに伝える言い方もあります。
また「お任せ」という言い方は、上から下につたえるニュアンスも含まれているので「お願いいたします」や「お力を貸していただけないでしょうか」などの言葉を添えることも重要です。
まとめ
「ご意向にお任せします」と「ご判断にお任せします」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「ご意向にお任せします」は方針や決定を、一任すること。
「ご判断にお任せします」は諸々の細かい判断をまかせることです。
自分らしさが伝わる敬語を、マスターしていきましょう。