この記事では「召し上がる」と「お食べになる」の違いを解説します。
「召し上がる」とは?
「食う」「飲む」の敬語表現です。
相手に対して敬意を表す言葉になります。
この言葉を使う相手は、目上の人など敬意を表すべき人です。
たとえば、上司、取引先の相手、お客様などです。
相手が食べたり飲んだりすることで、自分が食べたり飲んだりすることではありません。
たとえば、上司と部下が寿司店で飲食をしたとします。
上司が注文をしたものは、イカ、マグロ、イクラ、エビなどです。
部下からすると、上司の行為は「イカを召し上がる」などとなります。
店員がお客様のことについて使う場合もあります。
たとえお客様が店員よりも年齢が下であっても、この言葉は使われます。
たとえば、スパイスを使ったちょっと変わったチョコレートを購入したお客様がいたとします。
店員の年齢は38歳、お客様は20代です。
あるとき、どんなチョコレートが売れているのか、雑誌の記者から店員がインタビューを受けました。
お客様の方が年齢が下ですが、記者への返答は「ちょっと変わったチョコレートを召し上がる方もいらっしゃります」となります。
「お食べになる」とは?
食べるを丁寧にした言葉です。
「食べる」に「お」をつけて丁寧にしています。
食べるとは、物を口にして飲み込むことです。
そのため、この言葉は食べるという行為だけを意味しており、飲むことではありません。
また、目上の人などが行うことをいい、自分が行うことではありません。
「なる」は「お~になる」の形で使うと敬意を表す意になります。
「お食べに」とすると、食べるという行為をしている人に対して敬意を表しています。
たとえば、お土産を上司に渡し、それを上司が口にしたとします。
目上の人が物を口にして飲み込んでいるので、相手に敬意を示して表現をすると、この言葉になります。
「お食べになりませんか」など、相手に問いかけるときには、あまり使わない言葉です。
「召し上がる」と「お食べになる」の違い
一般的には前者の言葉が使われます。
「食う」の敬語表現に「召し上がる」があるので、食べることを敬語で表したい場合には「お食べになる」とするよりも、「召し上がる」が使われます。
また、「召し上がる」の場合は、食べることも飲むことも指していますが、「お食べになる」は食べることだけを指しています。
どちらの言葉も相手が行う行為を指しており、自分が行うことではありません。
「召し上がる」の例文
・『おいしそうに召し上がる』
・『お刺身を召し上がる』
・『変わったものを召し上がる人』
・『全部召し上がる』
「お食べになる」の例文
・『天皇がお食べになる』
・『ゆっくりとお食べになる』
・『ハンバーグをお食べになる』
・『お食べになるものが厳選されている』
まとめ
どちらの言葉も「食う」の敬語表現で、相手に敬意を表して使用をします。
一般的には「召し上がる」といいます。