この記事では、「委曲」と「委細」の違いを分かりやすく説明していきます。
「委曲」とは?
「委曲」は「くわしいこと、こまかいこと」を表す言葉です。
この言葉は「委曲を尽くす」という1セットの言い回しで使用されることが多いといえます。
これは、「物事の事情や状況を詳しく明らかにすること」を表して、「委曲を尽くして説明する」のように使用します。
他には、「委細」や「子細」という類似の言葉が挙げられますが、「~を尽くす」とした場合に使用されるのは、「委曲」が最もスタンダードなものと言えるでしょう。
また、「委曲」は事情・状況に対してのみ使用される言葉です。
そのため、たとえば「委曲なデザイン」のように、物理的な細かさを示すための使い方はしないのです。
「委細」とは?
それでは「委細」とはなんでしょうか。
こちらも「くわしいこと、こまかいこと」を表す言葉です。
しかし、これは「委細を尽くす」のような使い方をしないのが一般的です。
「委細」は、「委細を述べる」や、「委細構わず行う」などの使い方の場合に使用されるのです。
また、物理的な細かさを示すための表現としては使用せず、事情・状況に対して使用する点は、「委曲」と同じと言えます。
このように、「委曲」と「委細」は似ている漢字で構成され、同じ意味があります。
しかし。
それぞれの言葉は、使い分けに注意が必要であることが分かるのではないでしょうか。
「委曲」と「委細」の違い
それでは「委曲」と「委細」の違いはどこにあるのでしょうか。
「委細」と「委曲」は、「くわしいこと、こまかいこと」という同じ意味を持ちます。
また、事情・状況の詳しさ、細かさを示すために使用するという特性も同じです。
そのことから、同じように使えるように思えます。
しかし、実際の使い方にはそれぞれで違いがあります。
「委曲を尽くす」とは言うが「委細を尽くす」とは言わないなど、使い方に一定の基準があるのです。
これらは間違えたからと言って誤用というわけではなく、意味は通じるものです。
しかし、使うべき場面で使うべき言葉を選択できたほうが、よりよい表現になると言えます。
「委曲」の例文
「委曲」を使用した例文を挙げます。
「委曲」は「尽くす」とセットで使用すると覚えておくのが分かりやすいでしょう。
・『委曲を尽くした説明を心がける』
・『委曲を尽くすも相手に理解してもらえなかった』
「委細」の例文
「委細」を使用した例文を挙げます。
「委細」は「尽くす」と組み合わせて使わないように気を付けるとよいでしょう。
・『委細を述べるべきだ』
・『委細構わ行動する人だ』
まとめ
このように、「委曲」と「委細」は、「くわしいこと、こまかいこと」という同じ意味を持ちます。
また、事情・状況に対して使用する言葉という点でも、同じ特性を持ちます。
しかし、それぞれの言葉には使い方に一定のルールがあります。
そのルールの中で、同じ意味の言葉を適切に選択して使い分ける必要があるのです。