「お引き立て」と「ご愛顧」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などについて、分かりやすく解説していきます。
「お引き立て」とは?
はじめに「お引き立て」について解説します。
「お引き立て」は「引き立てる」ことを名詞にした敬語表現です。
「引き立てる」とは意訳すれば「重用する」となります。
通常の使い方では「お引き立て」の後には「受ける」動詞がセットで使用されます。
「お引き立ていただき」「お引き立て賜り」などが、よく使われている表現と言えるでしょう。
「ご愛顧」とは?
つぎに「ご愛顧」について解説します。
「ご愛顧」も「お引き立て」と同じく「重用する」と意訳もできます。
しかし、どちらかといえば「ひいきにしてもらう」という言いかえのほうがしっくりきます。
意味的には同じなのですが、言葉を受け取った場合のイメージに差があるので不思議です。
これは、どのようなシーンで使われることが多いかに由来しているのです。
「お引き立て」と「ご愛顧」の違い
それでは、「お引き立て」と「ご愛顧」の違いはどこにあるのでしょうか。
「ご愛顧」のほうが、物販やサービス提供を伴うビジネスでの使用が適しているでしょう。
「お引き立て」よりも、少し使用は何が狭まるという事です。
これは、ルールがあるわけではないですが、通例としてそうなっています。
例えば、上司に対して「いつもご愛顧いただき」と使うのは違和感があります。
しかし、お客様に対して「いつもご愛顧いただき」には違和感がありません。
「ご愛顧」が客に対する言葉というイメージを伴うためです。
「お引き立て」の例文
ここでは「お引き立て」の例文を挙げていきます。
文例からも分かる通り、冒頭に「いつも」を意味する言葉、結びに「謝意」を連結して使う方法が多いです。
様々な装飾表現ができるということです。
・『いつもお引き立ていただき、ありがとうございます』
・『平素よりお引き立ていただき、感謝します』
・『毎々お引き立ていただき、感謝の意を表明します』
・『常々よりお引き立て賜り、厚く御礼いたします』
「ご愛顧」の例文
続いて「ご愛顧」の例文を挙げていきます。
「お引き立て」の例文と同様の使い方ができることが、よく分かるはずです。
そして、全く同じ使い方であるにもかかわらず、印象が変わっていることに驚いたのではないでしょうか。
・『いつもご愛顧いただき、ありがとうございます』
・『平素よりご愛顧いただき、感謝します』
・『毎々ご愛顧いただき、感謝の意を表明します』
・『常々よりご愛顧賜り、厚く御礼いたします』
まとめ
このように「お引き立て」と「ご愛顧」は同じ意味を持ち、同じ方法で使える言葉と言えます。
しかし、言葉が持つニュアンスには違いがあるため、使う場面や使う相手によって、選択する言葉を変えていく必要があるとも言えるのです。