この記事では、「ともすれば」と「ややもすれば」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ともすれば」とは?
「ともすれば」は「場合によっては、対処しなければ」などの意味で使われる言葉です。
たとえば、「ともすれば大損しそうだ」とすると、「このままでは大損しそうだ」という意味で使用できます。
この言葉は、ネガティブな場面で使用されることが多いと言えます。
たとえば
「ともすれば大儲けできそうだ」とは、あまり使用しないのです。
また、この言葉は将来の予測に対して使用されます。
「ともすれば~になりそうだ」や「ともすれば~なりがちだ」など、未確定の事象に言及する場合に、使用される言葉なのです。
「ややもすれば」とは?
それでは「ややもすれば」とはなんでしょうか。
「ややもすれば」も、将来の予測に対して使用される言葉です。
たとえば、「ややもすれば~になりそうだ」や「ややすれば~なりがちだ」のように使用できます。
こちらも、主にネガティブな表現で使用されます。
ただし、使い方としては「~がちだ」の語尾と組み合わせることが多いと言えます。
これは「ややもすれば」が、何かの傾向を示す場合に、より適した表現であるためです。
「ともすれば」と「ややもすれば」の違い
それでは「ともすれば」と「ややもすれば」の違いはどこにあるのでしょうか。
これは、基本的には同じ意味で使用できるものと言えます。
そしてどちらも、将来の予測に対して使用できる表現であり、ネガティブな事象に対して使用されます。
あえて違いを示すならば、「ややもすれば」のほうが傾向を示す表現として適していると言えます。
これは、一般的にはそのような傾向があるというだけで、明確な理由はありません。
しかし、どちらを使うか迷う場合には、このことを思い出すとよいでしょう。
「ともすれば」の例文
「ともすれば」を使用した例文を挙げます。
「ともすれば」が、将来の予測に対して使用できる言葉だと意識すると、言葉を構成しやすいはずです。
・『ともすれば突発的に憂鬱になってしまう』
・『ともすれば逃げ出そうとするのであった』
「ややもすれば」の例文
「ややもすれば」を使用した例文を挙げます。
例文からも、「ややもすれば」には「~しがち」を組み合わせると収まりのよい文章になるのが分かるのではないでしょうか。
・『ややもすれば成長を損ないがちになる』
・『ややもすれば売上に悪影響を及ぼしがちだ』
まとめ
このように、「ともすれば」と「ややもすれば」は、どちらも将来の予測に対して使用できる言葉です。
また、どちらの言葉もネガティブな事象に対して使用されます。
同じような意味を持ち、同じように使用できる言葉ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。
「ややもすれば」のほうが傾向を示す用途に向いているのです。
明確な違いではありませんが、二つの言葉を使い分ける際の基準として、迷った場合には思い出すとよいでしょう。