「います」と「おります」の違いを分かりやすく解説します。
気になるビジネス語を、ひも解いていきましょう。
「います」とは?
「います」は「いる」の丁寧な言い回しです。
その人がいることを、素直にあらわした表現です。
もともと「います」は「居る」に丁寧語の「ます」を付け加えた言葉。
単に「いる」だと素っ気なく感じられてしまうため「います」と言い換えて使います。
ただ注意したいのは、目上の人や取引先に対しては失礼にあたる表現だということ。
「います」は同僚や部下など親しい人に対して使用できる言い方ですが「聞いている相手をうやまう」という意味合いはないので、心の片隅においておきましょう。
「いる」を少しだけ丁寧にした表現が「います」です。
「おります」とは?
「おります」とは「いる」の敬語になります。
こちらをへり下って、相手を持ち上げるフォーマルな言い方です。
もともと「おります」は「おる」に丁寧語の「ます」が組み合わさった形式です。
「おる」というのは「いる」の謙譲語にあたるので「おります」も、謙譲語のニュアンスを含んでいます。
ただ単に「います」のみだと折り合いがつかないような場合は、より丁寧な「おります」に直して、上品な言い回しに変えていきましょう。
とくに取引先やお客様から電話があった場合は「います」ではなく「おります」を使用すると、聞こえの良い表現に落ち着きます。
「います」と「おります」の違い
・丁寧語の「います」敬語の「おります」
「います」と「おります」はどちらも「その場所にいること」をつたえる表現です。
「います」はプライベートで使いたい言葉。
ビジネスであれば社内の近しい人や部下、同僚などにつかいます。
おもに自分の行動を、丁寧に言いたい場合に使うのが「います」です。
例えば部下と会話しているシーン。
「午前は得意先を回るのでいませんが、午後なら帰社しています」と使います。
また「おります」は敬語のニュアンスが強いので、主に得意先に対して使います。
「お世話になっております」と挨拶言葉として用いたり「本日は和歌山支社におります」と現在の様子を電話口で伝えたりします。
また「本日の営業時間は午後9時までとなっております」と店舗の時間を伝えることもあります。
そして「課長はあいにく席を外しております。
大変申し訳ございませんが、ご都合のよい時間帯にこちらからお電話させていただきます」と用いることもあります。
「いる」をより丁寧にした便利な敬語が「おります」になります。
「います」を電話口でつかうと、相手によっては妙な馴れ馴れしさを感じることもあります。
そのためビジネスシーンの電話では「おります」を心がけておくと、とても上品に聞こえます。
まとめ
「います」と「おります」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「いる」の丁寧語が「います」、敬語が「おります」になります。
「おります」は謙譲語のニュアンスがあり、へりくだった言い方です。
大切なお客様や得意先に対しては「います」より「おります」の方がスマートです。