「テーパリング」と「利上げ」の違いとは?ビジネスでの使い方など分かりやすく解釈

「テーパリング」と「利上げ」の違い ビジネス用語【二語】

「テーパリング」「利上げ」の違いとは?

ビジネスでの使い方や例文など、分かりやすく解説していきます。

「テーパリング」とは?

「テーパリング」は英語の「tapering」です。

これは「taper」の現在進行形で「先細り」「漸減」を意味します。

「taper」「少しずつ減らす、細くする」という意味なので、「ing」を付けることで「少しずつ減らすこと」を意味するのです。

金融用語における「テーパリング」は量的緩和策を順次減らしていく行為を示します。

量的緩和策とは、「QE:Quantitative Easing」のことであり、リスク性のある資産を中央銀行が買い入れることを示します。

これにより、市場に資金を供給して景気を活性化させるのです。

「利上げ」とは?

「利上げ」はインフレ対策の一つを示す言葉です。

市場の景気がよくなった場合に、過剰な反応が出る場合はあります。

過剰な市場の反応は、過度なインフレを生むリスクを含みます。

このような場合に、政府の統制として市場の金利を上昇させる操作します。

これにより、加熱した反応に水が差されてクールダウンする効果があります。

過度なインフラに向かう傾向を、金融操作によって歯止めるのです。


「テーパリング」と「利上げ」の違い

それでは「テーパリング」「利上げ」の違いはどこにあるでしょうか。

どちらも、政府の金融政策のひとつだといえます。

しかし、「テーパリング」は、政府が市場から買い入れる金融資産を段階的に減らすことを意味します。

これは、景気の刺激効果を段階的に緩めることを意味します。

これに対して「利上げ」は、政府による金利上昇策を示します。

これは市場の金利を挙げることで、景気の過度な抑制を牽制する効果があります。

このように、どちらも金融政策を示す言葉ですが、前者は景気の刺激を段階的に緩め、後者は景気の過度な上昇を抑制するものです。

非常に似ていますが、手段と目的が微妙に違うのです。

「テーパリング」の例文

「テーパリング」を使用した例文を挙げます。

・『そろそろテーパリングを開始する頃合いだ』
・『テーパリングにより、市場への資金供給が漸減していく』
・『中央銀行のテーパリングが、市場契機に悪影響を及ぼした』
・『テーパリングにより、景気の刺激策が緩和する』

「利上げ」の例文

「利上げ」を使用した例文を挙げます。

・『政府の利上げ対策が、景気の上昇に水を差した』
・『多少の利上げくらいでは、勢いが弱まることはないだろう』
・『利上げをするタイミングを誤れば、マイナス影響が生じる』
・『利上げだけがインフレ抑制対策ではない』

まとめ

このように「テーパリング」「利上げ」は、どちらも政府の金融政策を示す言葉です。

「テーパリング」は景気の刺激を段階的に緩めるものであり、「利上げ」は景気の過度な上昇を抑制するものなのです。