「申し伝えます」と「言い伝えます」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など分かりやすく解説していきます。
「申し伝えます」とは?
「申し伝える」は「言い伝える」ことを意味します。
これに丁寧語の語尾である「ます」を付与して、「申し伝えます」としているのです。
この言葉を使用する場合は、少なくても三人の登場人物が必要です。
「自分」、「相手」、そして「申し伝える相手」です。
そして、ここで敬意を示しているのは、「申し伝える相手」ではなく、「相手」であることに注意しましょう。
自分が今話している先の「相手」に対して、敬意を示す表現なのです。
なお、ここでは「申す」という謙譲語を使用しています。
これは、「言う」をへりくだって表現したものなのです。
「言い伝えます」とは?
「言い伝えます」は「言い伝える」に丁寧語の語尾を付与したものです。
しかし、この言葉は丁寧語であるものの、尊敬語でも謙譲語でもありません。
ここでは、「言い伝える」という行為は自分の行動であるため、尊敬語は使用できません。
そのため、相手へ敬意を示す場合には謙譲表現の「申し伝えます」を選択します。
そして、特に敬意を明示する必要が無い場合には、丁寧語だけで表現した「言い伝えます」を使用するのです。
「申し伝えます」と「言い伝えます」の違い
それでは「申し伝えます」と「言い伝えます」の違いはどこにあるでしょうか。
これは敬語表現をなくせば、どちらも「言い伝える」になります。
そのため、二つの言葉の差異は敬語表現にあると言えます。
「申し伝えます」は謙譲語と丁寧語の組み合わせです。
そして「言い伝えます」は、ただの丁寧語なのです。
このことから、二つの言葉には謙譲語の有無という差異があると分かります。
相手が敬意を示すべき対象か否かで、二つの言葉を使い分ける必要があるのです。
「申し伝えます」の例文
「申し伝えます」の例文を挙げていきます。
「申し伝えます」が謙譲語+丁寧語になっていることを意識して、使用する相手を選びましょう。
・『私から申し伝えます』
・『担当の山田に申し伝えます』
・『お聞きした内容を上司に申し伝えます』
・『明日の午後までには申し伝えます』
「言い伝えます」の例文
「言い伝えます」の例文を挙げていきます。
「言い伝えます」がただの丁寧語になっていることに注意して、使用する相手を選びましょう。
・『私から言い伝えます』
・『担当の山田に言い伝えます』
・『お聞きした内容を上司に言い伝えます』
・『明日の午後までには言い伝えます』
まとめ
このように「申し伝えます」と「言い伝えます」は、どちらも「言い伝える」を意味する言葉です。
ただし、二つの言葉には謙譲表現の有無という違いがあります。
そのため使う相手に応じて、適切な言葉を選択する必要があるのです。