「財政赤字」と「プライマリーバランス」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など、分かりやすく解説していきます。
「財政赤字」とは?
「財政赤字」は「財政の赤字」を示す四字熟語です。
財政は国や自治体の財務を示します。
そして、赤字は収入よりも支出が多い状態を示すのです。
国や地方自治体の収入・支出は、歳入・歳出と呼ばれます。
この歳出が歳入を上回った場合に、「財政赤字」になるのです。
国の財政が悪化する原因には多くのものがあります。
しかし、一般的には景気が悪くなると赤字になると言われています。
景気が悪くなれば税収が減るため、歳入が減少します。
また、景気が悪くなれば社会保障のための出費が多くなるので、歳出が増加するのです。
このように歳入が減少し、歳出が増加することで、その差額である財政赤字が発生するのです。
「プライマリーバランス」とは?
「プライマリーバランス」は英語の「Primary Balance」であり、「PB」をも省略されます。
「Primal」は主要を意味し、「Primary」は「主要な」になります。
それでは、「主要なバランス」とはなんでしょう。
これは、国が提供する行政サービスを、税収等の収入で賄えているかどうかを示すための指標なのです。
プリマリーバランスが悪いといえば、歳入に対して歳出が多いこと、つまり赤字を示します。
逆に良好なプライマリーバランスで運営できているとした場合は、歳入のほうが多い状態、つまり黒字を意味するのです。
「財政赤字」と「プライマリーバランス」の違い
それでは「財政赤字」と「プライマリーバランス」の違いはどこにあるでしょうか。
どちらも政府や地方自治体における財務の状態を示す言葉です。
しかし、「財政赤字」は歳入よりも歳出が上回った赤字の状態を示します。
これに対して「プライマリーバランス」は歳入と歳出のバランスを示す指標にしかすぎません。
赤字であっても、黒字であっても、何かしらのバランスを示すものです。
赤字は悪いバランスであり、黒字は良いバランスなのです。
そのため「プライマリーバランス」という言葉自体には、赤字の意味も黒字の意味もないのが分かるはずです。
「財政赤字」の例文
「財政赤字」を使用した例文を挙げます。
・『財政赤字が拡大している』
・『日本は慢性的な財政赤字に慣れてしまっている』
・『財政赤字を打開するには抜本対策が必要だ』
・『日本の財政赤字額は世界に類を見ないレベルだ』
「プライマリーバランス」の例文
「プライマリーバランス」を使用した例文を挙げます。
・『日本のプライマリーバランスは赤字だ』
・『プライマリーバランスを改善しないといけない』
・『プライマリーバランスの悪さを借金で補填している』
・『歳出を削減して、少しでもプライマリーバランスをよくするべきだ』
まとめ
このように「財政赤字」と「プライマリーバランス」は、どちらも政府や自治体の財務を示す言葉です。
しかし、「財政赤字」は赤字を示し、「プライマリーバランス」は指標そのものを示すという違いがあることが、分かったのではないでしょうか。