「ご心労お察しします」と「ご苦労察し致します」の言葉の違いとは?使い方や例文など分かりやすく解釈

「ご心労お察しします」と「ご苦労察し致します」の言葉の違いとは? ビジネス用語【二語】

ビジネスシーンでは使ってしまうと失礼にあたってしまう落とし穴の様な表現が多々あります。

今回はこれにまつわる2つについてご紹介したいと思います。

この記事では「ご心労お察しします」「ご苦労察し致します」の違いを分かりやすく説明していきます。

「ご心労お察しします」とは

これは『年齢や役職、立場に関係なく相手の苦労や精神的疲労を心配していることを伝える』表現です。

『ご心労』と『お察しします』に分かれ、まず『ご心労』については『いろいろと心配をして精神的に悩んだりし疲れてしまうこと』です。

そこに『お察しします』という『状況や雰囲気などを推し量り同情したり心配すること』という言葉がつながります。

ポイントは『年齢や役職、立場に関係ない』という部分で、どの様な状況でも使うことが出来るとても丁寧な表現です。

またお見舞いや弔辞にもつかうことが出来ます。

例えば『〇〇様のご苦衷、ご心労お察しします。』というと相手の苦しい状況や心が疲れ果てていることを心配することを伝える表現になるのです。

「ご苦労察し致します」とは

意味自体は『相手の苦労や精神的疲労を心配していることを伝える』表現です。

『ご苦労』も『察し致します』という言葉も丁寧な表現ではあり文法的には決して間違えていません。

しかしながらビジネスシーンにおいて、目上や立場の上の方、社外の方に使うと『失礼』にあたる言葉です。

まず『ご苦労』自体が現在ではビジネスシーンでは失礼とされてしまっており、せっかくの『察し致します』という丁寧な表現を台無しにしてしまっています。

これに似た表現を耳にしたことはありませんでしょうか。

それは『ご苦労様です』と『お疲れ様です』です。

前者は目上や上司が後輩や部下に使う言葉で、後者はその逆とビジネス研修などで習ったことがあるという方も多いはずです。

『ご苦労』がなぜ目上には失礼にあたるかについては諸説ありますが、有力な説としては『労う』という言葉自体が自分と同程度か下の立場の人に対して使う言葉である』からというものがあります。

これに当てはめるとたとえどんなに『ご』をつけて丁寧な表現にしてももともとの意味である下の立場の人間に使うという意味を変えることにはならない為、失礼であるとされます。


「ご心労お察しします」と「ご苦労察し致します」の違い

どちらも同じく相手の苦労や精神的疲労を心配していることを伝えるという部分は変わりはありませんが、前者は『目上や立場が上、社外に仕えるビジネス表現』であるのに対して後者は『立場によっては失礼にあたる注意すべき表現』であるという違いを付けることが出来ます。

また、あえて深堀をするのであれば、部下や後輩に対して丁寧なのか砕けているのかが分からない曖昧な表現であるともいうことが出来ます。

まとめ

如何でしたでしょうか。

一見するとどちらも丁寧な表現に見えますが、実は『ご心労』と『ご苦労』の違いに落とし穴があるのは意外ではなかったでしょうか。

新入社員の時にはこの習慣を知らずについつい使ってしまいがちですので、十分気を付けましょう。