「廃業」と「閉業」の違いとは?分かりやすく解釈

「廃業」と「閉業」の違いとは? ビジネス用語【二語】

どんなに努力をしても残念ながらビジネスが上手くいかず撤退をすることは残念ながらあります。

今回はそれらに関係する混同しやすい言葉2つをご紹介します。

この記事では「廃業」「閉業」の違いを分かりやすく説明していきます。

「廃業」とは

これは『ビジネスや事業そのものを立ち直らせる目途も立たなくなってしまい、完全に撤退してしまうこと』を表す言葉です。

ポイントは『立ち直らせる目途も立たない』という部分にあります。

これは『廃』という『すたれる』や『重い障害、不治の病』という意味を持つ漢字からもイメージを持つことができるのではないでしょうか。

例えば資金繰りが完全に回らなくなってしまったり、自然災害などでオフィスや工場などの資産が全て破壊されて再びビジネスを行う状況ではなくなってしまうときなどにこの『廃業』を使います。

もともと『廃業』とは芸者や遊女がきれいに仕事から足を洗い、二度と元の職業には戻らないことを指した言葉です。

例えば『力士を廃業する』というと力士の象徴である大銀杏を落として完全に相撲競技者としての人生を終えることですが、このことからも再びやっていた商売や職業をすることができなくなるのが、『廃業』です。

「閉業」とは

これは『ビジネスや事業を何らかの理由で戦略的に撤退をすること』という意味をもった言葉です。

ポイントは『戦略的に』というところにあります。

しかしながら具体的な『戦略』に関する度合いまでは表しておらず、あくまでも再び何かの機会を伺ってビジネスを再開しようと考えているかどうかが言葉の裏に隠れています。

『閉業』という言葉はその日の業務を終えるという『終業』と同じ意味もあります。

つまり、一時的にビジネスを中断して再び復帰するニュアンスがあることがお分かりいただけると思います。

例えば『あのチェーン店はA地区を閉業した』というと、チェーン店そのものがビジネスから撤退したのではなく、A地区での業務を何かしらの目的達成の為に撤退したということになります。


「廃業」と「閉業」の違い

この二つは『再起不能』か『戦略的撤退』かという違いではっきりと分けることができます。

実はこの2つは辞書ではほぼ同じ意味として記載がされていますが、実際の使われ方はこの様な違いがあるというのも面白い表現です。

ただし、再起できるかできないかという判断はあくまでも主観的な観測に基づいており、そこに根拠はありません。

ですので、『廃業』と言いながらも再びビジネスをしたり、『閉業』と言いながら二度と再開しないというケースもあります。

まとめ

如何でしたでしょうか。

非常に近い意味を持ち、辞書でもその違いは明確ではありませんが、『廃業』と『閉業』の持つ微妙なニュアンスの違を付けることが出来たのではないでしょうか。

使う言葉に迷ったときにはその単語の持つ漢字以外にも別の使われ方をしている意味をよく調べると違いがクリアになることもありますので是非試してみてください。