この記事では、日常会話やビジネスシーンでしばしば使われる言葉の「おっしゃる」と「言われる」について、その違いを使用例を交えて、分かりやすく説明します。
「おっしゃる」とは?
「おっしゃる」の漢字表記は「仰る」で、「言う」を意味するの尊敬語です。
この「おっしゃる」は上記の通り、すでに尊敬語ですが、さらに敬意を高める意図で、尊敬を表す助動詞の「られる」を加えて「おっしゃられる」との表現を使われる方が居られます。
この表現は、敬語を重ねて使う二重敬語にあたり、日本語としては間違いです。
この「おっしゃられる」を使う習慣のある人は、正しく、「おっしゃる」を使う様に直しましょう。
また「おっしゃる」に丁寧語の「ます」を付けて、「おっしゃいます」と、さらに丁寧な表現として使われることも少なくありません。
「おっしゃる」の使い方
・『課長は急遽出張のために、本日の課内ミーティングは中止にするとおっしゃっていました』
・『先日おっしゃていたデーターが載っている資料があれば、お送りいただきたいと存じます』
・『先輩がおっしゃる通りに行動して、失敗したことはなく、先輩を心から信頼しています』
「言われる」とは?
「言われる」は「言う」の敬語表現です。
また、この「言われる」には、「言う」の受身形としての使い方もあります。
「言われる」との言葉を聞いた際には、それが受身形で使われているのか、尊敬語として使われているのかを前後の文章から把握する必要があります。
また、丁寧語の「ます」を付けて「言われます」としても、しばしば使われます。
「言われる」の使い方
・『先ほどの会議で部長が言われたポイントは理解しています』
・『課長が言われた件は、事務所にいる課のメンバーには、すぐに伝えました』
・『先生が言われた内容が理解できなかったので、休憩時間に個別に質問しました』
「おっしゃる」と「言われる」の違い
前1,2項で説明した様に、「おっしゃる」と「言われる」は、いずれも「言う」の尊敬語です。
敬語ですので、目上の人が「言う」ことに対して使える言葉です。
ただし、敬意を表現する度合いとしては、「言われる」よりも「おっしゃる」の方が強いと言えます。
また、先にも記載した様に「言われる」は「言う」の受け身表現と同じで、紛らわしいため、ビジネスシーンでは「おっしゃる」を使う方がベターと言えます。
まとめ
「おっしゃる」と「言われる」は、いずれも「言う」の尊敬語表現で、敬語です。
しかし、その敬意の度合いは「言われる」よりも「おっしゃる」の方が強く、また「言われる」は「言う」の受け身表現と同じで、紛らわしいため、ビジネスシーンでは「おっしゃる」を使う方がベターと言えます。