この記事では、日常でもビジネスでも使われることの多い、「ご返事する」と「お返事する」について、その意味や使い方、違いについて分かりやすく説明します。
「ご返事する」とは?
「ご返事する」は「返事する」に接頭辞の「ご」が付けられた言葉です。
接頭辞は接頭語とも呼ばれ、一語で使われるのではなく、他の言葉の上について、その言葉とともに一つの言葉を形成するものです。
この接頭辞は、敬語の意味を添加したり、語調を整える役割を果たしています。
接頭辞が付けられた言葉は、前後の文章により、尊敬・謙譲・美化(丁寧)の三つのいずれかを意味する役割となります。
この接頭辞には「ご」の他に「お」もあります。
以上、接頭辞について少しおさらいをしましたが、この接頭辞の役割から、ご承知の通り「ご返事する」は「返事する」の敬語表現と言えるのです。
「ご返事する」の使い方
・『上司と相談して、明日ご返事する予定です』
・『先方から至急、出欠のご返事することを求められています』
「お返事する」とは?
「お返事する」は「返事する」に敬語表現の接頭辞の「お」が付けられた言葉です。
「返事」には敬語表現の接頭辞として、「ご」も「お」も使われているのです。
いったい、どちらが正しい使い方なのか、またそもそも接頭辞の「ご」と「お」には、使い分けのルールはないのでしょうか。
こうした点については、後に説明します。
「お返事する」の使い方
・『お返事することが出来ずに、申し訳ありませんでした』
・『明日までにお返事する必要があります』
「ご返事する」と「お返事する」の違い
先ず接頭辞として「ご」を使うべきか、「お」を使うべきかのルールについて説明します。
使い分けの基本としては、和語(大和言葉、訓読みの言葉)には「お」が付き、漢語(音読みの言葉)には「ご」が付くとのルールがあります。
本来、このルールによれば「返事」は漢語なので、「ご」が使われるべきですが、今日では「お」を使う人の方が、多いのではと思われるほどです。
それでは、「お」を使っている多くの人は、間違っているのでしょうか。
結論を言えば、先のルールは原則であり、例外も存在し、「ご返事」と「お返事」のどちらを使っても良いと言うことになっているのす。
違いとしては、「ご返事」の方が、少し改まったニュアンスがある程度と言えます。
「お」と「ご」の両方が使われる言葉としては、他に「お年始」と「ご年始」や、「お通知」と「ご通知」などが挙げられます。
こうした点も日本語の難しさですが、原則を知った上で、例外は使って覚える他ないと言えます。
まとめ
「ご返する」も「お返事する」も、「返事する」に接頭辞の「ご」と「お」が付けられた言葉です。
いずれも間違いではなく、「返事」には例外的に両方を付けることが出来るのです。