「わからないことがあれば」と「ご不明な点がございましたら」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など、分かりやすく解説していきます。
「わからないことがあれば」とは?
「わからない」は「理解できない」を意味します。
これは、「分かる」が未然形で活用されたのちに、否定を示す「ない」が付いたものです。
ここでは「わからないことがあれば」としているので、相手が理解できないこと、不明なことがある場合について、前提を置く方法を採用しています。
そのため、この言葉は前置きとして使用されるものであり、前提下における依頼事項を続けて述べる必要があります。
つまり「わからないことがあれば」に続けて、「言ってくれ」や「手を挙げてくれ」などと組み合わせて使用する必要があるということです。
「ご不明な点がございましたら」とは?
「不明」は、「分からないこと、理解できないこと」を意味します。
これに接頭語の「ご」を付与して「ご不明」とすることで、丁寧な表現にできます。
さらに、「ございましたら」は「ございます」と「たら」で構成されています。
「ございます」は「あります」であり、「ある」に丁寧語の語尾「ます」を付与したものです。
そして、「たら」は前提を示すために使用される言葉です。
これらのことから、丁寧さを除外して平易な言葉で言い換えると、「ご不明な点がございましたら」は「わからないことがあれば」と同じ意味になると言えるのです。
「わからないことがあれば」と「ご不明な点がございましたら」の違い
それでは「わからないことがあれば」と「ご不明な点がございましたら」の違いはどこにあるでしょうか。
この二つは全く同じ意味を示しています。
そのため、純粋な意味に違いはないと言えます。
違いは、敬語表現の有無にあります。
「わからないことがあれば」は、全く敬語表現されていない、プレーンな言葉です。
これに対して、「ご不明な点がございましたら」は、「ご不明」と「ございます」で敬語表現が使用されています。
そのため、前者は日常会話で近しい相手に使用でき、後者は上司など目上の人に使用できる言葉だと言えます。
「わからないことがあれば」の例文
「わからないことがあれば」の例文を挙げていきます。
ここでは平易な言葉として使われることに着目するとよいでしょう。
・『わからないことがあれば、声を掛けてください』
・『もしわからないことがあれば、手を挙げてください』
・『わからないことがあれば、遠慮なく言ってください』
・『何かわからないことがあれば、連絡ください』
「ご不明な点がございましたら」の例文
「ご不明な点がございましたら」の例文を挙げていきます。
ここでは、文章全体の丁寧語のレベル感をそろえるように使用しています。
・『ご不明な点がございましたら』
・『ご不明な点がございましたら、声をお掛けてください』
・『もしご不明な点がございましたら、手を挙げてお知らせください』
・『ご不明な点がございましたら、ご遠慮なく言ってください』
・『何かご不明な点がございましたら、ご連絡ください』
まとめ
このように「わからないことがあれば」と「ご不明な点がございましたら」は、純粋な意味に違いがないことが分かります。
同じ意味の言葉として使用できるものですが、敬語表現の有無に違いがありますので、使う相手には注意しましょう。