「バリューチェーン」と「サプライチェーン」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など、分かりやすく解説していきます。
「バリューチェーン」とは?
「バリューチェーン」は英語の「Value Chain」です。
直訳すれば「価値の鎖」ですが、多くの場合「価値連鎖」と翻訳されます。
これは、仕入れた原材料に対して、どのように付加価値を加えていくかを示したものです。
たとえば、原材料に対して人件費を投入することで価値が向上します。
このような生産かつの一連ん流れをバリューチェーンと呼びます。
つまり、価値を生み出すための連鎖と表現しているのです。
これは言葉でもあり、これを分析するためのフレームワークの呼び名でもあります。
このフレームワークは、業務を主活動と支援活動に分類して、付加価値が生み出される箇所を分析し、最適化するものなのです。
「サプライチェーン」とは?
「サプライチェーン」は英語の「supply chain」です。
直訳すれば「供給の鎖」ですが、多くの場合「供給連鎖」と翻訳されます。
これは、原材料の入手から、消費者の手元に届くまでの工程を、オーバービューでとらえた考え方です。
ただの原材料が、複数の企業や利害関係者の手を通じて、消費者に届くまでを分析するのです。
そのため、複数の企業間のやりとりも含んだ、供給プロセスを焦点としているのです。
「バリューチェーン」と「サプライチェーン」の違い
「バリューチェーン」と「サプライチェーン」の違いはどこにあるでしょうか。
最も大きな違いは、分析対象のプロセスの範囲です。
「バリューチェーン」は一企業内の価値付加プロセスを対象範囲としています。
これに対して「サプライチェーン」は、一企業内に限定することなく、複数企業間のやりとりをとらえた供給活動全体を対象範囲としているのです。
どちらも価値の連鎖を表す言葉です。
しかし、その対象範囲が一企業内なのか、市場全体なのかで、使う言葉が変わるのです。
「バリューチェーン」の例文
「バリューチェーン」を使用した例文を挙げます。
ここでは、一企業内の価値連鎖を示すことに注意して使うとよいでしょう。
・『生産性の改善には、バリューチェーン分析が必須だ』
・『バリューチェーンのどこに問題があるかを突き止めた』
・『バリューチェーンを改善すれば利益は改善する』
・『バリューチェーンが機能しなくなれば生産高が劣後する』
「サプライチェーン」の例文
「サプライチェーン」を使用した例文を挙げます。
ここでは、「バリューチェーン」と同じ使い方をしています。
同じような使い方ができますが、示す範囲が市場全体に変わっているので注意しましょう。
・『生産性の改善には、サプライチェーン分析が必須だ』
・『サプライチェーンのどこに問題があるかを突き止めた』
・『サプライチェーンを改善すれば利益は改善する』
・『サプライチェーンが機能しなくなれば生産高が劣後する』
まとめ
このように「バリューチェーン」と「サプライチェーン」は、どちらも価値連鎖を示す言葉です。
しかし、ふたつの言葉が示す範囲には違いがあるので、注意して使い分ける必要があるのです。