「なんでも聞いてください」と「お尋ねください」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など、分かりやすく解説していきます。
「なんでも聞いてください」とは?
「なんでも」は「何でも」と書けます。
つまり「なにでも」が変形した言葉だということが分かります。
これは、特に条件を定めない場合に使用する言葉です。
逆に、「この範囲についてだけ聞いてください」や「この条件以外であれば聞いてください」の対極にある言葉だといえます。
特に条件なく、聞きたいことは何でも聞いてよい。
それを表現するのが「なんでも聞いてください」なのです。
「お尋ねください」とは?
「尋ねる」には「聞く」と「訪問する」の二つの意味があります。
ここでは「尋ねる」に接頭語の「お」を付けて「お尋ね」として丁寧な表現にしています。
さらに、「くれ」の丁寧語である「ください」を使用しています。
これらのことから、「聞いてれ」もしくは「訪問してくれ」という内容を、丁寧に表現したのが「お尋ねください」だと言えるのです。
ここでは注意したいのは、尋ねるに二つの意味があることです。
単独で使用する場合には見分けが付かないため、誤解を招きやすいと言えます。
周囲の言葉で十分に補いながら使用するように、注意が必要なのです。
「なんでも聞いてください」と「お尋ねください」の違い
それでは「なんでも聞いてください」と「お尋ねください」の違いはどこにあるでしょうか。
一つ目の違いは、「聞いて」と「お尋ね」の違いです。
これは、「聞いて」が平易な言葉であるのに対して、「お尋ね」は敬語表現になっているのです。
二つ目の違いは、「なんでも」の違いです。
相手からすれば「なんでも」があるかないかで、聞ける内容が変化します。
どちらも聞ける範囲に対する明示的な限定はしていません。
しかし、「なんでも聞いてください」は「なんでも」聞いてよいことを明示的に示しているのです。
「なんでも聞いてください」の例文
「なんでも聞いてください」の例文を挙げていきます。
ここでは平易な言葉である「なんでも聞いてください」とトーンを合わせて例文にしています。
・『不明点は、なんでも聞いてください』
・『何か困っていれば、なんでも聞いてください』
・『質問があれば、なんでも聞いてください』
・『もし分からなければ、なんでも聞いてください』
「お尋ねください」の例文
「お尋ねください」の例文を挙げていきます。
ここでは、敬語表現である「お尋ねください」にトーンを合わせた例文にしています。
・『ご不明点は、お尋ねください』
・『何かお困りでしたら、お尋ねください』
・『質問がありましたら、お尋ねください』
・『もし分からないようでしたら、お尋ねください』
まとめ
このように「なんでも聞いてください」と「お尋ねください」は、どちらも「聞いてくれ」を意味する言葉です。
しかし、前者は平易な丁寧語であり、後者は敬語です。
そして、「なんでも」という聞ける範囲に関する言及の有無が違うのです。