「氷河期世代」と「ロスジェネ世代」の違いとは?ビジネスでの使い方や例文など、分かりやすく解説していきます。
「氷河期世代」とは?
「氷河期世代」は就職氷河期世代を示します。
不景気により企業の採用が激減した時期を、草木の生えない氷河期になぞらえて表現した言葉です。
1990年代半ばには、バブル経済が崩壊したことを契機に、一気に就職難に突入時代がありました。
ここから約10年の間を示して「就職氷河期」と呼び、この期間に就職活動した世代を「氷河期世代」と呼ぶのです。
組織の観点で見ると、この世代の人員の層が薄くなっており、他の世代にくらべて人材が不足する傾向にあります。
一方で、非正規雇用など、現在の社会問題につながる雇用形態が急増したのも、この世代の特徴なのです。
「ロスジェネ世代」とは?
「ロスジェネ世代」は「ロストジェネレーション」を省略した言葉から来ています。
「ロストジェネレーション」だけで「失われた世代」を意味しますので、「ロスジェネ世代」とすると「世代」の意味が二重になります。
文法的な問題はさておき、「ロスジェネ世代」という言葉は1990年代半ばからの約10年間に就職活動した人達を示す言葉です。
そのため、「就職氷河期」と同じ時期を指しており、「氷河期世代」と同じ人達を指す言葉なのです。
企業から見れば採用を絞った結果、その世代のみが失われています。
そして、当事者たちから見れば、他の世代に比べて努力と結果のバランスがとれない、喪失感にあふれた世代ないのです。
「氷河期世代」と「ロスジェネ世代」の違い
それでは「氷河期世代」と「ロスジェネ世代」の違いはどこにあるでしょうか。
どちらも1990年代中頃からの約10年間に就職活動した世代を示す言葉です。
そのため、バブル経済崩壊のあおりおくらってしまった悲しい世代であるということは同じです。
しかし、「氷河期世代」は就職難に問題を限定した表現です。
これに対して「ロスジェネ世代」は、就職難も含めた世代固有の問題や悲哀を表現した言葉だと言えます。
そのため、同年代を示す言葉ですが、表現したいテーマや伝えたい印象によって、より適切な言葉を選択する必要があるのです。
「氷河期世代」の例文
「氷河期世代」を使用した例文を挙げます。
例文のように、具体的に就職難を示す場合に使うと、より効果的な言葉といえます。
・『氷河期世代に人材が圧倒的に不足している』
・『氷河期世代に雇用形態が社会問題化する原因が埋め込まれた』
・『氷河期世代の就職活動は、伝説的に過酷だった』
・『氷河期世代には有名大学でも就職浪人が発生していた』
「ロスジェネ世代」の例文
「ロスジェネ世代」を使用した例文を挙げます。
例文のように、世代特有のマインドや時代背景に言及する場合に使用すると、より効果的な言葉だと言えます。
・『ロスジェネ世代には特有の文化が存在する』
・『ロスジェネ世代が生みだしたパワーは異質なものがある』
・『ロスジェネ世代ならではのアイロニカルな表現技法だ』
・『ロスジェネ世代にしか分からない感情だ』
まとめ
このように「氷河期世代」と「ロスジェネ世代」は、どちらも1990年代半ばからの10年に就職活動した人達を示す言葉です。
示す対象は同じですが、違うニュアンスを持つ言葉です。
そのため、表現したいテーマや伝えたい印象によって、使い分ける必要があるのです。