この記事では、ビジネスシーンでもしばしば使われる「お目にかかる」と「お会いする」について、その意味の違いや使い方等を、分かりやすく説明します。
「お目にかかる」とは?
まず「お目にかかる」の言葉を分解して説明します。
「お目」は「目」に尊敬の意味を示す接頭辞の「お」が付けられた言葉です。
次の「かかる」は「目」と合わせて使うことで、「目にとまる」と言う意味になります。
ちなみに、先に記した「お目」は、相手の「目」を指すため、ここで使われている「お」は敬語表現となるのです。
以上のことから「お目にかかる」の文字通りの意味は、「相手の目にとまる」ことを意味し、すなわち「会う」ことを意味する言葉なのです。
この表現は、謙譲語です。
「お目にかかる」の使い方
・『お目にかかるのを楽しみにしています』
・『A社の部長は急遽出張されており、本日はお目にかかることが出来ませんでした』
・『取引先の課長とは、明日お目にかかる予定です』
「お会いする」とは?
「お会いする」は「会う」の謙譲語表現で、ここで使われている接頭辞の「お」は謙譲を示すもので、尊敬を示すものではありません。
少し蛇足になりますが、「会う」と同音の「合う」の違いについて触れておきます。
「会う」は「人と人とが顔をあわせる」という時に使われる言葉で、予定して「会う」場合にも、たまたま「会った」場合にも使われます。
一方の「合う」は「同じになるや、ぴったりになる」と言う意味で、人に関して使われるのは、意見を出し「合う」や、話し「合う」と言った表現で使われ場合です。
「会う」は「面会」の熟語を、「合う」は「合致」の熟語をイメージして覚えれば、使い間違うことはないでしょう。
「お会いする」の使い方
・『また、来月お会いする日を楽しみにしています』
・『先方の担当者とは、明日お会いする約束が出来ています』
・『是非、お会いしてじっくりとご相談したいと思います』
「お目にかかる」と「お会いする」の違い
すでに説明して来た通り、「お目にかかる」と「お会いする」は、表現は違っていますが、いずれも「会う」の謙譲語表現です。
意味も同じですし、謙譲の度合いも同じです。
従って、ビジネスシーンで使う際にも、同じように使うことが出来る言葉です。
「お目にかかる」と「お会いする」のそれぞれの例文の二つの言葉を言い換えて見れば、違和感なく使えることが理解できると思います。
まとめ
「お目にかかる」と「お会いする」は、表現は違っていますが、いずれも「会う」の謙譲語表現です。
また二つの言葉は、意味も謙譲の程度も同じであり、全く同じように使える言葉と言えます。