「ご自愛ください」と「お大事になさってください」の違いとは?ビジネスでの使い方や例文など分かりやすく解釈

「ご自愛ください」と「お大事になさってください」の違い ビジネス用語【二語】

この記事では、ビジネスシーンでもよく使われる慣用句の「ご自愛ください」「お大事になさってください」について、それぞれの意味や使い方や、その違い等を分かりやすく説明します。

「ご自愛ください」とは?

「ご自愛ください」の文字通りの意味は、「自分を愛してください」で、「相手の健康を気遣うこと」を意味する言葉です。

この慣用句は、暑さや寒さが厳しい季節に、体調を崩さぬように気遣って使われることの多い言葉です。

この慣用句は、「自愛」に敬意を示す接頭辞の「ご」が付けられ、また「ください」は動詞「くれる」の命令形「くれ」の丁寧語なので、敬語表現です。

従って、この「ご自愛ください」は目上の方に使っても問題ない表現です。

「ご自愛ください」の使い方

・『まだまだ猛暑が続きそうですが、どうぞご自愛ください』
・『寒さ厳しい折から、風邪など召されぬよう、ご自愛ください』
・『一日の寒暖差が大きな季節ですので、くれぐれもご自愛ください』


「お大事になさってください」とは?

「お大事になさってください」とは、「体調を崩した相手を気遣うこと」を意味する慣用句です。

この慣用句で使われている「大事」の文字通りの意味は、「重大な事柄や、大変なこと」を意味し、ここでは相手の方の体調不良を「大変なこと」として、静養や治療をして早期に良くなることを願う意味として使われています。

この慣用句は、敬語表現なので、目上の人にも使えます。

ただし、この表現を省略した「お大事に」だけではフランクな表現と言え、敬語表現ではないので、注意が必要です。

この「お大事になさってください」は、重病を患っている人に対して使われることは少なく、多くは風邪等の軽い病気や、時間経過で完治する怪我などをした人に使われるのが一般的です。

「お大事になさってください」の使い方

・『風邪を召されているとのことですが、是非お大事になさってください』
・『怪我が一日でも早く完治しますように、どうぞお大事になさってください』
・『一日でも早く退院できますように、お大事になさってください』

「ご自愛ください」と「お大事になさってください」の違い

「ご自愛ください」「お大事になさってください」は、いずれも相手の方の健康を気遣って掛ける言葉です。

しかし、使うべきタイミングは、全く異なると言えます。

「ご自愛ください」は相手が元気で病気ではないが、体調を崩しやすい季節等に使われるのに対し、「お大事になさってください」の方は、すでに風邪等の軽い病気を患っていたり、軽い怪我をした人に対し、それが早く治るようにと願う場合に使われます。

以上の様に、使うべきシーンが違うので、間違わぬように、それぞれの意味と使い方を正しく理解しておくことが大切です。

まとめ

「ご自愛ください」は、元気な人に「体調を崩さぬように」と、健康を気遣う言葉です。

それに対して「お大事になさってください」は、すでに風邪等の軽い病気や、軽い怪我をした人に対し、「早く完治するように」願う言葉です。

従って、二つの慣用句は使用シーンが全く異なる言葉と言えます。