「ご多忙」と「ご多用」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など、分かりやすく解説していきます。
「ご多忙」とは?
「多忙」は「忙しい」が「多い」と書きます。
そのため、「忙しい」を意味する言葉ですが、ただの「忙しい」よりも強調された言葉です。
普段使う分には、「忙しい」を熟語にしたものと考えればよいでしょう。
しかし、類似の言葉と並べた場合は、このような特性があることに留意するとよいのです。
また、ここでは接頭語に「ご」を付けて「ご多忙」としています。
これは、単語に「ご」を付与することで丁寧な表現にし、相手への敬意を示す効果があります。
「ご多用」とは?
「多用」は「用事」が「多い」と書きます。
用事が多い人は忙しい人です。
そのため、意味する内容は「忙しい」となります。
ここでも接頭語に「ご」を付けて「ご多用」とすることで、丁寧な表現にしています。
これらのことから、「ご多用」は上司などの目上の人に対して、「忙しい」という状態を表現する場合に使用できる言葉だと言えます。
また、「ご多用」は忙しいことを示す言葉ですが、特に忙しいことを強調する効果を持たない言葉です。
「ご多忙」と「ご多用」の違い
それでは「ご多忙」と「ご多用」の違いはどこにあるでしょうか。
どちらも、目上の人が「忙しい」状況を表現するための言葉です。
しかし、あえて違いを述べるのなら、「ご多忙」のほうがより忙しさの度合いが強いと言えます。
これは、言葉の意味を分解した結果から分かるものです。
「ご多忙」が多数の忙しさなのに対して、「ご多用」は多数の用事の意味です。
多数の用事が忙しいだとすると、多数の忙しいがある「ご多忙」のほうがより忙しいというロジックです。
「ご多忙」の例文
「ご多忙」の例文を挙げていきます。
例文のように、「思う」、「申し訳ない」、「恐縮」などと組み合わせて使うとよいでしょう。
・『ご多忙かと思いますが』
・『ご多忙かと存じますが』
・『ご多忙のところ申し訳ございませんが』
・『ご多忙の折、大変恐縮でございます』
「ご多用」の例文
「ご多用」の例文を挙げていきます。
ここでは、「ご多忙」とまったく同じ使い方をしても成立すること、意味が変わらないことが分かるのではないでしょうか。
・『ご多用かと思いますが』
・『ご多用かと存じますが』
・『ご多用のところ申し訳ございませんが』
・『ご多用の折、大変恐縮でございます』
まとめ
このように「ご多忙」と「ご多用」は、純粋な意味に違いがないと言えます。
そのため、同じような場面で同じように使える言葉だということが分かります。
しかし、あえて比較するならば、「ご多忙」の方が少しだけ忙しさの度合いの高い言葉だという事が分かったのではないでしょうか。