「ご教示いただき」と「ご教示くださり」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など分かりやすく解説していきます。
「ご教示いただき」とは?
「ご教示」は文字通り「教え示す」ことを意味します。
類似の言葉である「ご教授」と混同されることが多いですが、「ご教示」は一問一答できるものと覚えると分かりやすいでしょう。
相手が既に保有する知識を回答すれば済むものは「ご教示」を使うのです。
逆の言い方をすると、たとえば講義のように順序立てた説明が必要なものは「ご教授」を使用します。
ここでは「ご教示」に「いただき」を付与しています。
「いただき」は「いただく」を活用したもので、「もらう」を意味する謙譲語です。
そして、今回の比較で重要になるポイントは「もらう」が自分から見た場合の表現だということです。
「ご教示くださり」とは?
「ご教示くださり」も「ご教示」を使用した言葉です。
こちらも、相手に教えてほしい場合に使用される言葉です。
しかしここでは、語尾に「くださり」を使用しています。
「くださり」は「くださる」を活用したものです。
そして「くださる」は「くれる」を意味します。
ここでの重要なポイントは「くれる」が相手から見た場合の表現だということです。
「ご教示いただき」と「ご教示くださり」の違い
それでは「ご教示いただき」と「ご教示くださり」の違いはどこにあるでしょうか。
どちらも相手が教えることを敬語表現した言葉です。
しかし、語尾には「いただき」と「くださり」の違いがあります。
これは、平易な言葉に言い換えると「もらう」と「くれる」の違いだと言えます。
つまり「もらう」の行動主体は自分であり、「くれる」の行動主体は相手にあります。
「教える」という行動をどちら側からみて表現しているかで、「ご教示いただき」と「ご教示くださり」の違いが生まれるのです。
「ご教示いただき」の例文
ここでは「ご教示いただき」の例文を挙げていきます。
例文のように、感謝を示す言葉と組み合わせて使用するのが、最も一般的な使用方法と言えるでしょう。
・『ご教示いただき、ありがとうございます』
・『ご教示いただき、感謝申し上げます』
・『しっかりとご教示いただき、感謝申し上げます』
・『詳細にご教示いただき、大変感謝いたします』
「ご教示くださり」の例文
ここでは「ご教示くださり」の例文を挙げていきます。
例文からは、「ご教示いただき」と同じ使い方ができることが分かるはずです。
・『ご教示くださり、ありがとうございます』
・『ご教示くださり、感謝申し上げます』
・『しっかりとご教示くださり、感謝申し上げます』
・『詳細にご教示くださり、大変感謝いたします』
まとめ
このように「ご教示いただき」と「ご教示くださり」は、相手の教える行動を指し示す言葉です。
しかし、行動をどちらの側面から見るかによって、「いただき」と「くださり」の使い分けが生じます。
どちらを使っても問題ありませんが、違いがあることを認識しておくとよいでしょう。