「ご覧になる」と「拝見する」の言葉の違いとは?ビジネスでの使い方や例文など分かりやすく解釈

「ご覧になる」と「拝見する」の言葉の違い ビジネス用語【二語】

この記事では、ビジネスシーン等でしばしば使われる慣用句の「ご覧になる」「拝見する」の違いについて、使用例を交えて分かりやすく説明します。

「ご覧になる」とは?

「ご覧になる」「見る」の尊敬語表現です。

目上の人や取引先の人などが、何かを見る場合に、その行為に敬意を払って使われる言葉です。

「ご覧になる」をより敬意を強める意図で、「ご覧になられる」の表現を使われることがあります。

この表現は、「見る」の尊敬語の「ご覧」に、「なる」の尊敬語の「なられる」を重ねて使っており、いわゆる二重敬語に当たるため、日本語としては正しくありません。

敬語表現は難しいものですが、とにかく丁寧な表現を使わば良いとの考えで、二重敬語を使いがちなので、この点にも注意が必要です。

「ご覧になる」の使い方

・『有名な画家の先生が、私達の作品の展覧会をご覧になるそうです』
・『業界の展示会に取引先の専務が来られ、我が社のブースをご覧になる予定です』
・『作品展をご覧になるそうですが、ぜひ感想をお聞かせ下さい』


「拝見する」とは?

「拝見する」「見る」を意味する謙譲語表現です。

自分が何かを見る際に、相手が目上の人や取引先の 人の場合に、自分の行為をへりくだって表現する謙譲語です。

謙譲語なので、目下に人や部下に使うことはありません。

この慣用句を使う際に、しばしば見聞きする誤用としては、二重敬語があります。

二重敬語は同じ言葉に二つの敬語表現を使うことを指し、この慣用句の使い方では「拝見させていただきます」が、その典型例です。

間違った表現方法ですが、多くの人が誤って使っているため、違和感を感じない人もおられるでしょうが、日本語としては誤りです。

正しくは「拝見します」で良いのです。

「拝見する」の使い方

・『非公開の寺院の庭園を、住職のご厚意で、特別に拝見することが出来ました』
・『会社の命運を掛けたプロジェクトの概要資料を拝見すると、その壮大なことに驚かされます』
・『先生の筆による書を拝見すると、やはり私達がまだまだ未熟な事を痛感させられます』

「ご覧になる」と「拝見する」の違い

前項までに説明した様に、「ご覧になる」「見る」の尊敬語表現で、一方の「拝見する」「見る」を意味する謙譲語表現です。

いずれも意味は「見る」ことですが、「ご覧になる」は目上の人が「見る」場合に、敬意を払って使われる敬語で、一方の「拝見する」は自分が「見る」場合に、自分の行為を謙遜して表現することで、目上の人等の相手に敬意を払う使い方です。

まとめ

「ご覧になる」「見る」の尊敬語表現で、一方の「拝見する」「見る」の謙譲語表現です。

いずれも、より丁寧な表現にしようとして、「ご覧になられる」「拝見させていただきます」と言った二重敬語を使いやすい言葉です。

二重敬語は、日本語としては間違いですので、注意が必要です。