「ご推察の通り」と「ご認識の通り」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきたいと思います。
「ご推察の通り」とは?
はじめに「ご推察の通り」について解説していきます。
「推察」とは「推しはかり、察すること」から来ています。
これは「気持ちや状況を想像する、予測する」との意味を持ちます。
この言葉が意味するのは、相手に対して「あなたが予測または想像したとおり」ということです。
また、「推察」は「ご」が付与されて「ご推察」となっていることから、敬語表現されているとも言えます。
「ご認識の通り」とは?
つぎに「ご認識の通り」を解説します。
「認識」は「物事をはっきりと見分け、判断すること、知ること」を意味します。
そのため「ご認識の通り」とは相手に対して「あなたが正確に把握しているとおり」という意味に言い換えることができるでしょう。
また冒頭に「ご」が付いて「ご認識」となっていることから、こちらも敬語表現されていると言えます。
「ご推察の通り」と「ご認識の通り」の違い
それでは「ご推察の通り」と「ご認識の通り」の違いはどこにあるでしょうか。
これは、相手の状態・状況把握レベルの違いと言えるでしょう。
「推察」は予測や想像を示しています。
そのことから、相手は確信を持っていない状態との前提の表現になっているのです。
一方の「認識」は「しっかり把握する」意味があります。
そのため「推察」よりも認識のレベルは高く、確信的に理解している状態を指しているのです。
これらの事から、同じような使い方ができる「ご推察の通り」と「ご認識の通り」ですが、微妙な差異があることが分かるはずです。
会話の流れや相手の状況に応じて、適切な使い分けが必要な表現と言えるでしょう。
「ご推察の通り」の例文
ここでは「ご推察の通り」の例文を挙げていきます。
単独での使用も可能ですが、会話などで使う場合の例は以下の通りです。
語尾を変化させることでも、印象に変化を与えられるので、色々と試してみるのもよいでしょう。
・『ご推察の通りです』
・『その件であれば、ご推察の通りです』
・『その選択でしたら、ご推察の通りになります』
・『資料の内容については、ご推察の通りでございます』
「ご認識の通り」の例文
ここでは「ご認識の通り」の例文を挙げていきます。
例文から「ご推察の通り」と全く同じ使い方をしても成立することが分かるはずです。
ただし、この場合「推察」と「認識」が示す相手の状態の違いに注意して、使い分ける必要があるのです。
・『ご認識の通りです』
・『その件であれば、ご認識の通りです』
・『その選択でしたら、ご認識の通りになります』
・『資料の内容については、ご認識の通りでございます』
まとめ
このように「ご推察の通り」と「ご認識の通り」は同じような場面で、同じように使用できる言葉です。
しかし、その二つの言葉が指し示す状態には、微妙な違いがあるのです。
そのことを認識したうえで、上手に使い分けるとよいでしょう。