「伺っております」と「聞き及んでおります」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきたいと思います。
「伺っております」とは?
はじめに「伺っております」について解説していきます。
「伺う」とは「聞く、尋ねる」をへりくだった表現にした謙譲語です。
他にも「訪問する」との意味がありますが、ここでは「聞く」の意味で使用されています。
この言葉が意味するのは、事前に誰かから何かを聞いていることです。
そして、そのことを相手に対して伝達することで、会話のスムーズな展開に寄与する目的で使用されるのです。
聞いた相手は、概要を理解している前提で、話を勧めてくれるのです。
「聞き及んでおります」とは?
つぎに「聞き及んでおります」を解説します。
「聞き及ぶ」は「既に他人から聞いて知っている」ことを意味します。
「聞く」が「及ぶ」と組み合わさることで、情報が自分にまで到達したことを示しているのです。
そのため「聞き及んでおります」も、相手に対して「私は情報をしっています」と宣言していることになるのです。
「伺っております」と「聞き及んでおります」の違い
それでは「伺っております」と「聞き及んでおります」の違いはどこにあるでしょうか。
これは、基本的には同じ意味の言葉と理解して問題ないでしょう。
ただし、「伺っております」は謙譲語であり、へりくだった表現として使用されます。
一方の「聞き及んでおります」については、へりくだった意味はなく、通常の敬語表現として使われるのです。
そのため、敬語表現としての意味の差はあります。
しかし、目上の人に対して、失礼なくしようできることでは意味が同じなのです。
「伺っております」の例文
ここでは「伺っております」の例文を挙げていきます。
単独での使用も可能ですが、会話などで使う場合の例は以下の通りです。
聞いている内容についての説明を補う事で、相手に分かりやすい表現にできます。
・『伺っております』
・『その件であれば、事前に伺っております』
・『こちらの内容は、部長より伺っております』
・『お噂はかねがね、伺っております』
「聞き及んでおります」の例文
ここでは「聞き及んでおります」の例文を挙げていきます。
例文から「伺っております」と全く同じ使い方をしても成立することが分かるはずです。
ただし、この場合「伺う」と「聞き及ぶ」の敬語表現に差があることに注意して、使い分ける必要があるのです。
・『聞き及んでおります』
・『その件であれば、事前に聞き及んでおります』
・『こちらの内容は、部長より聞き及んでおります』
・『お噂はかねがね、聞き及んでおります』
まとめ
このように「伺っております」と「聞き及んでおります」は同じような場面で、同じように使用できる言葉です。
しかし、その二つの言葉が指し示す敬語の意味には、微妙な違いがあるのです。
そのことを認識したうえで、上手に使い分けるとよいでしょう。