「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」の違いとは?ビジネスでの使い方や例文など分かりやすく解釈

「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」の違いとは? ビジネス用語【二語】

この記事では、「誠に勝手ながら」「誠に恐れ入りますが」の違いを分かりやすく説明していきます。

「誠に勝手ながら」とは?

「誠に勝手ながら」「まことにかってながら」と読み、意味は以下の通りです。

1つ目は「こちらの都合でものごとに変更がある時の前置き」という意味で、自分たちで一方的にものごとを変更したことを相手に伝える時のことわりの表現です。

2つ目は「自分たちの要望や依頼を相手に伝える時の前置き」という意味で、自分たちの要求を一方的に相手に伝える時のことわりの表現です。

3つ目は「個人的に欠席や欠勤、退職することを伝える時の前置き」という意味で、個人的にある役割を断ったり、仕事を辞める時のことわりの表現です。

上記に共通するのは「こちらの一方的な都合でありますが」という意味です。

「誠に勝手ながら」の使い方

「誠に勝手ながら」は、「誠に+勝手+ながら」で成り立っています。

「誠に」「本当に」「実に」という意味、「勝手」「他人に構わないで、自分だけに都合がよいようにふるまうこと」という意味、「ながら」「乍ら」と書き、矛盾する2つの事柄をつなぐ意味があり、「~にもかかわらず」「~ではあるが」という意味、「誠に勝手ながら」で、「本当に自分だけに都合よくふるまうことではあるが」になります。

敬語表現は含まれていませんが、目上の人や取引先に対して断りを入れる意味で使えます。


「誠に恐れ入りますが」とは?

「誠に恐れ入りますが」「まことにおそれいりますが」と読み、意味は以下の通りです。

1つ目は「相手に何かして欲しいことをお願いする前置き」という意味で、相手に余計な手間や不快な思いをさせてしまうことを詫びる表現です。

2つ目は「相手に何かを質問することの前置き」という意味で、相手にものごとを訊ねて心苦しいという表現です。

上記に共通するのは「心苦しく思う」という意味です。

「誠に恐れ入りますが」の使い方

「誠に恐れ入りますが」「誠に+恐れ入ります+が」で成り立っています。

「誠に」「本当に」という意味、「恐れ入ります」は動詞「恐れ入る」の丁寧語で「自分の悪い点について申し訳なく思う」「相手の厚意に対して恐縮する」という意味から転じて「心苦しいほどありがたいと思う」という意味、「が」は接続助詞として、「その前後に述べたことをつなぐ言葉、逆接の時も順接の時もある」という意味です。

こちらも敬語表現は含まれていませんが、目上の人や取引先に対して断りを入れる意味で使えます。

「誠に勝手ながら」と「誠に恐れ入りますが」の違い

「誠に勝手ながら」「本当に自分だけに都合よくふるまうことではあるがという前置き」という意味です。

「誠に恐れ入りますが」「相手に迷惑をかけることを心苦しく思うという前置き」という意味です。

「誠に勝手ながら」の例文

・『誠に勝手ながら本日はお休みさせていただきます』
・『誠に勝手ながら今月いっぱいで閉店させていただきます』
・『誠に勝手ながら本日は7時で閉店させていただきます』
・『誠に勝手ながら年末年始は休業となります』

「誠に恐れ入りますが」の例文

・『誠に恐れ入りますが審査の結果、今回はお見送りさせていただくことになりました』
・『誠に恐れ入りますが、館内では携帯電話の電源をお切りください』
・『誠に恐れ入りますがもうしばらくお待ちください』
・『誠に恐れ入りますが、ご連絡をいただけます様お願い申し上げます』

まとめ

今回は「誠に勝手ながら」「誠に恐れ入りますが」について紹介しました。

「誠に勝手ながら」「こちらの都合ではあるが」「誠に恐れ入りますが」「心苦しく思うが」と覚えておきましょう。