「在任中」と「在職中」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきたいと思います。
「在任中」とは?
はじめに「在任中」について解説していきます。
「在任」とは「任務についていること」を意味することばです。
これに「中」を付けることで、「任務についている時」や「任務についている間」という意味で使用されます。
ビジネスで使用される場合は「在任中はお世話になりました」などで使用されることが多いでしょう。
これは、例えば異動で現在の部署を離れる場合に、使用されるのです。
自分が何かの任務や職位についており、そのことを示して「在任中」としているのです。
「在職中」とは?
つぎに「在職中」を解説します。
「在籍」の「籍」は「戸籍」の「籍」です。
そして、「籍」には人や所属を記した公式文書との意味合いがあります。
このことから、「在籍」は、組織の構成員として所属していること、その状態を示します。
この言葉をビジネスで使用することが少ないのではないでしょうか。
例えば、就任中を示すなら「在職中」や「在任中」を使うのが一般的です。
また、会社やチームなどの組織に所属していることを示すのは「所属」を使う事が多いでしょう。
あえていえば、人事などで「その社員であれば在籍しています」などの場面で使用するかもしれません。
しかし、「在任中」などの挨拶文での常用句とは違い、出番が少ないことは否めないでしょう。
「在任中」と「在職中」の違い
それでは「在任中」と「在職中」の違いはどこにあるでしょうか。
これらの違いは、「在」の対象が異なるというところにあります。
つまり、何に対して「就いている」のかです。
まず「在任」における「在」の対象は「任」です。
これは任務や職位などの「役割」を示します。
そのため、在任は役割についていることを表しているのです。
一方の「在籍」の「在」が示す対象は「籍」です。
これは、組織やチームの「集団」を示します。
つまり、在籍は集団に属していることを示しているのです。
これらの事から、同じような使い方ができる「在任中」と「在職中」ですが、示すものが異なると分かるはずです。
自分が表現したいのが「役割」に対するものなのか、「集団」に対するものなのかで、上手に選択して使い分ける必要があります。
そして、そのためには、二つの言葉の意味の違いを正確に理解する必要があるのです。
「在任中」の例文
ここでは「在任中」の例文を挙げていきます。
単語としての使用も可能ですし、例文のような使い方もできます。
・『在任中は大変お世話になりました』
・『まだ在任中のため、私が対応します』
・『その者であれば、在任中でございます』
・『在任中になんとか終わらせたいものです』
「在職中」の例文
ここでは「在職中」の例文を挙げていきます。
例文から「在任中」と全く同じ使い方をしても成立することが分かるはずです。
ただし、誤ってはいないものの、「在任中」に比べると違和感が残る使用方法になってしまうのです。
・『在籍中は大変お世話になりました』
・『まだ在籍中のため、私が対応します』
・『その者であれば、在籍中でございます』
・『在籍中になんとか終わらせたいものです』
まとめ
このように「在任中」と「在職中」は同じような場面で、同じように使用できる言葉です。
しかし、その二つの言葉が指し示す対象は「役割」か「集団」かで明確に異なるのです。
しっかりと意味を理解した上で、使い分ける必要があるのです。