「口添え」と「口利き」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきたいと思います。
「口添え」とは?
はじめに「口添え」について解説していきます。
「口添え」とは「口を添える」との動作から来ています。
これは「交渉や依頼する場面で、第三者がとりなす」との意味で用いられます。
このような意味を持つ「口添え」は、主にポジティブな意味で使用されます。
ビジネスでは、「口添えいただいたおかげで、うまくいきました」などの表現で使用されるのです。
ただし、ネガティブな使い方をしてはいけないということはありません。
単純に、あまりネガティブな使われ方はしないというだけなのです。
「口利き」とは?
つぎに「口利き」を解説します。
「口利き」は「あいだを取り持つこと」を意味する言葉です。
これは当事者ではない第三者が行う「調停や仲介」を意味します。
この表現は、ビジネスでも使用されることの多い言葉です。
例えば、「口利きいただいたおかげで、うまくいきました」のように、「口添え」と同じような使用方法が可能なのです。
「口添え」と「口利き」の違い
それでは「口添え」と「口利き」の違いはどこにあるでしょうか。
これは、当事者以外の第三者が間をとりもつという観点からは、同じ意味を持つ言葉と言えるでしょう。
ただし、「口添え」と「口利き」の文字が与える印象には、少しだけ違いがあります。
たとえば、「口添え」は補助的な動作を連想します。
交渉があと一押しの場面で、補助的に「口を添える」ような使い方をイメージするのです。
これに対して、「口利き」は能動的で積極的な動作を連想するのです。
交渉がまとまるように自ら行動するような印象を受ける表現なのです。
これらの事から、同じような使い方ができる「口添え」と「口利き」ですが、微妙な差異があることが分かるはずです。
言葉が生み出すイメージを大切にして、より適切な表現を選択できる感性を磨くとよいでしょう。
「口添え」の例文
ここでは「口添え」の例文を挙げていきます。
単独での使用も可能ですが、会話などで使う場合の例は以下の通りです。
語尾を変化させることでも、印象に変化を与えられるので、色々と試してみるのもよいでしょう。
・『〇〇様の口添えのおかげでまとまりました』
・『口添えにより、スムーズに事が運びました』
・『できれば事前に口添えをお願いしたく』
・『口添えしていただければ、まとめてみせます』
「口利き」の例文
ここでは「口利き」の例文を挙げていきます。
例文から「口添え」と全く同じ使い方をしても成立することが分かるはずです。
ただし、この場合「口添え」と「口利き」が示す印象には、少しだけ違いがあるのです。
・『〇〇様の口利きのおかげでまとまりました』
・『口利きにより、スムーズに事が運びました』
・『できれば事前に口利きをお願いしたく』
・『口利きしていただければ、まとめてみせます』
まとめ
このように「口添え」と「口利き」は同じような場面で、同じように使用できる言葉です。
しかし、その二つの言葉が与える印象は、少しだけことなるのです。
このような違いを意識的に選択できるようになると、繊細な表現力が身に付くことでしょう。