「黒字倒産」と「赤字倒産」の違いとは?使い方や例文など分かりやすく解釈

「黒字倒産」と「赤字倒産」の違いとは? ビジネス用語【二語】

この記事では企業の「黒字倒産」「赤字倒産」の違いについて、分かりやすく説明します。

「黒字倒産」とは?

「黒字倒産」とは「会計上は利益が出ているにもかかわらず、資金繰りが上手く行かず、企業経営が続けられない状態になること」を意味する経営用語です。

「黒字」は企業会計のP/L(損益計算書)において、「利益が出ていること、利益計上されていること」を指す言葉です。

また「倒産」とは法律的な定義はありませんが、一般的には「企業が債務の支払の不能に陥ったり、経済活動を続けることが困難になった状態のこと」を指す言葉です。

従って、「黒字倒産」とは冒頭の意味を指す経営用語となるのです。

一般的には、「倒産」は利益が出ていないことで生じると思われがちですが、「黒字」であっても起こり得るのです。

上記の説明で「資金繰り」という用語を使いましたが、この言葉は企業に入ってくるお金と出ていくお金をコントロールすることを意味する言葉です。

この管理が上手く行かなければ、仕入先への支払や銀行の借入金に対する返済が滞り、信用を失い、最悪の場合に、倒産に至るのです。

従って、企業経営にとっては、損益計算書で黒字を出す事も大切ですが、合わせて資金繰り、キャッシュフローの管理をしっかり行い、キャッシュフローがマイナスにならないようにすることが大切と言えるのです。

「黒字倒産」の使い方

「黒字倒産」の用語は、以下の例文のように使われます。

・『彼は起業したが、キャッシュフローの管理が出来ておらず、2年目に黒字倒産してしまった』
・『利益ばかり気にして、資金繰りに無頓着な経営で、あっけなく黒字倒産に至った』


「赤字倒産」とは?

「赤字倒産」とは、「会計上は利益が出ておらず、かつ資金繰りが上手く行かず、企業経営が続けられない状態になること」を意味する経営用語です。

損益計算書上、「赤字」であっても、必ずしもすぐに「倒産」する訳ではありません。

一定期間「赤字」であっても、潤沢な現金を多く蓄えていたり、担保資産が沢山あったり、追加融資や増資等で資金繰りが何とかやりくりできれば、「倒産」を免れることは可能で、日本にはこうした企業が多数存在します。

「赤字倒産」の使い方

「赤字倒産」の用語は、以下の例文のように使われます。

・『有望なベンチャーで追加融資を得られるため、簡単に赤字倒産はしない』
・『日本の企業は80%が赤字だが、何とか赤字倒産を免れている状態です』

「黒字倒産」と「赤字倒産」の違い

「黒字倒産」「赤字倒産」は、いずれも資金繰りが上手く付かずに、企業経営が継続できなくなる状態である「倒産」に至ると言う状況は同じです。

しかし「黒字倒産」は損益計算書では「黒字」計上している状態であるのに対し、「赤字倒産」は損益計算書上の利益面でも「赤字」の状態であると言う違いがある経営用語です。

先に説明した様に、「黒字」であっても「倒産」することがありますし、逆に「赤字」であっても「倒産」しないケースも沢山あることを認識することが大切です。

すなわち、経営に当たっては損益計算書の利益を確保することだけでなく、キャッシュフローをしっかりと管理し、キャッシュフローがマイナスにならない経営をすることが大切と言えるのです。

まとめ

「黒字倒産」「赤字倒産」はいずれも、資金繰りが付かずに、企業経営が継続できない状態である「倒産」状態になる事を指します。

「黒字倒産」は、その時の損益計算書上は「黒字」であるのに対し、「赤字倒産」「赤字」である場合に使われる違いがあります。