「一概に言えない」と「一概には言い切れない」ではどう違うのでしょうか。
今回は、「一概に言えない」「一概には言い切れない」の違いを解説します。
「一概に言えない」とは?
「一概に言えない」とは、「全てがそうであるとは言えない」という意味で使われる言葉です。
「一概に言えない」の使い方
「一概に言えない」の「一概」は本来「自分の考えを曲げずに押し通すこと」という意味で使われる言葉です。
似たような意味の言葉としては「一途」「一徹」などがありますが、他の物事には目を向けずただひとつのことだけを信じて貫き通すさまから転じて「全ての物事をひとつのことに当てはめて同じように扱うこと」という意味で使われています。
「一概に言えない」は「一概」を否定する言い回しです。
「すべての物事を同じように扱えるとは言えない」つまり「他の可能性もある」ということを表しています。
一般的には「対象となる一つの物事の他にもさまざまな可能性が考えられ普遍的に共通する真理ではない」という意味で使われます。
ビジネス用語としては自信や確信のないときや他の選択肢や可能性があるときなど、目の前の事例が唯一であると断言でき名いときに使われる表現です。
「一概には言い切れない」とは?
「一概には言い切れない」とは、「すべてがそうであると断言できない」という意味で使われる言葉です。
「一概には言い切れない」の使い方
「一概には言い切れない」の「言い切れない」は「言い切る」に否定の意味をあらわす「ない」が付いた言葉です。
言い切るには「自信や確信を持ってはっきり言う」「明言する」「断言する」という意味があります。
あやふやな内容だったり後になって取り消したりすることなく「責任を持ってはっきり言うこと」が「言い切る」の意味合いなので「一概には言い切れない」は「全てをまとめてそうである言い切る自信がない」ことを表します。
「一概に言えない」と「一概には言い切れない」の違い
「一概に言えない」と「一概には言い切れない」の違いは「可能性」と「自信」です。
「一概に言えない」という表現は目の前にある物事以外にも可能性があることを意味します。
Aという選択肢以外にBやCという選択肢もあるとき、Aに当てはまることがBやCに当てはまらない状態をあらわす言葉が「一概に言えない」です。
可能性としてA以外にBやCが存在している事実を無視していないことを示す表現です。
「一概には言い切れない」は物事に対して自信がない時に使われる表現です。
選択肢としてAしか浮かばないが確たる根拠や証拠がなくAだと言ってしまっていいのかどうかはっきりしない状態を「一概には言い切れない」と表現します。
他の可能性があることを強調するのが「一概に言えない」、決断に対する自信のなさを強調するのが「一概には言い切れない」という違いで区別されます。
まとめ
「一概に言えない」と「一概には言い切れない」は微妙なニュアンスの違いで区別されます。
言ってしまっていいのかどうかよく考えてふさわしい表現を選んでください。