「ご留意ください」と「ご承知おきください」の違いとは?ビジネスでの使い方や例文などについて、分かりやすく解説していきたいと思います。
「ご留意ください」とは?
はじめに「ご留意ください」について解説していきます。
「ご留意」には「心に留めておく」という意味があります。
そのため「ご留意ください」を意訳すれば「覚えておいてね」という事になります。
ビジネスで使う場合には、「ご留意ください」としてしまうと指示や命令のトーンが出てしまいます。
決して誤りではないのですが、より丁寧な表現にするならば「ご留意くださいますよう、お願いいたします」などと言い換えるのがよいでしょう。
「ご承知おきください」とは?
続いて「ご承知おきください」について解説していきます。
「ご承知おく」には「知っておいてください」や「了承しておいてください」といった意味があります。
意味の幅は広いですが、一般的には後者表現である「事前了承」を示す傾向が強いでしょう。
これを意訳すれば「了承しておいてね」という意味になります。
この言葉を使う場合は注意が必要です。
表現のトーンが強めなので、相手の意思に関わらず「事前了承してください、こちらは言いましたからね」という風に取れなくもないのです。
そのため、自明な事柄には使えますが、相手の拒否が想定されるケースで使うと失礼にあたります。
「ご留意ください」と「ご承知おきください」の違い
それでは「ご留意ください」と「ご承知おきください」の違いは、どこにあるのでしょうか。
まず、言葉が相手に与える「強制力」が違います。
「ご留意ください」は「覚えておく」ことまでに義務が生じるのに対して、「ご承知おきください」は「了承すること、ひいては結果に責任を持つこと」にまで義務の範囲が及ぶのです。
このように言葉が持つ「強さ」が違うため、どちらを使うかには、細心の注意が必要です。
特に「ご承知おきください」を使う場合は、相手と自分の関係や、示している事象と表現の関係が適切さに配慮する必要があるのです。
「ご留意ください」の例文
ここでは「ご留意ください」の例文を挙げていきます。
・『条件については、ご留意ください』
・『変更できない旨、ご留意ください』
・『手続きが必要になることを、ご留意ください』
・『追加料金については、ご留意ください』
「ご承知おきください」の例文
続いて「ご留意ください」の例文を挙げていきます。
「ご留意ください」の場合と比べて、言葉の持つ強制力が向上しているのが分かるはずです。
・『条件については、ご承知おきください』
・『変更できない旨、ご承知おきください』
・『手続きが必要になることを、ご承知おきください』
・『追加料金については、ご承知おきください』
まとめ
このように、類似表現とも言える「ご留意ください」と「ご承知おきください」ですが、言葉が持つ強制力に違いがあります。
このことを十分に認識して使わないと、相手に失礼な表現になる可能性があるので、十分に注意しましょう。