この記事では、ビジネスシーンでしばしば使われる言葉の「相違ございません」と「間違いございません」について、その違い等を使用例を交えて分かりやすく説明します。
「相違ございません」とは?
「相違ございません」における「相違」の読みは「そうい」で、「互いに違っていること」すなわち「食い違いがあること」を意味する言葉です。
ここで「互いに違っていること」や「食い違いがあること」が推定的な場合ではなく、断定的に言える場合にのみ「相違」の言葉が使われます。
また「ございません」は「ある」の丁重語の「ござる」に、さらに丁寧語の「ます」の未然形に打ち消す意味で使われる助動詞「ん」が付けられた言葉です。
従って「ございません」は「ありません」の意味の敬語で、「相違ございません」全体では、「食い違いはありません」を意味する、敬語表現になります。
「相違ございません」の使い方
・『新聞報道の内容には相違ございません』
・『契約条件と相違ございませんでしょうか?念のためにご確認ください』
・『これは当社の発注ミスに相違ございません。申し訳ありませんでした』
「間違いございません」とは?
「間違いございません」の「間違い」は、一般的に使われている「真実と違うこと」や「誤り」の意味で、「ございません」が前項と同じく「ありません」の敬語表現です。
従って、「間違いございません」は「誤りはありません」を意味する敬語表現と言えます。
「間違いございません」の使い方
・『この商品は当社が発注したものに間違いございません』
・『この忘れ物は、あのお客様のものに、間違いございません』
・『これは私が書いた文章に間違いございません』
「相違ございません」と「間違いございません」の違い
「相違ございません」と「間違いございません」はいずれも、「誤りはありません」の意味で、両方とも「ございませんが」使われているので、その敬語表現と言えます。
しかし、「相違ございません」は先にも記載した様に、絶対に「誤りがない」と断定できる場合に使われるのに対して、「間違いございません」の方は、断定は出来ないけれど、ほぼ「誤りがない」と推測出来る場合にも使われると言う違いがあります。
従って断定的に言えるのか否かで、「相違ございません」と「間違いございません」を使い分ける必要があります。
断定は出来ないけれど、ほぼ「誤りはない」と言える場合には、必ず「間違いございません」と使うべきです。
万が一、「相違ございません」と言って、実際に違っていた場合には、「間違いございません」を使った場合以上に、非難される可能性があり、特に注意すべきです。
まとめ
「相違ございません」と「間違いございません」はいずれも、「誤りはありません」の意味の敬語表現です。
ただし、絶対に「誤りはない」と言える場合にのみ「相違ございません」を使い、ほぼ「誤りはない」と推測が含まれる場合には「間違いございません」を使うと言う、使い分けをすべきと言えます。