「弁理士」と「弁護士」は似た名前を持つ仕事ですがどう違うのでしょうか。
今回は、「弁理士」と「弁護士」の違いについて解説します。
「弁理士」とは?
「弁理士」とは、「知的財産関係に詳しい特許関連を専門に手がける法律職」です。
あまり耳なじみのない「弁理士」という仕事ですがれっきとした国家資格です。
主に特許の登録や出願などの代行を手がける知的財産の専門家であり企業や個人の発明やアイディアなどを守る法の番人として活躍します。
日本で1年間に出願される特許の件数は約30万件以上と膨大です。
特許申請には専門書類の作成や複雑な手続きが必要でありすべての手続きを素人だけでこなすのは簡単ではありません。
「弁理士」は特許を考えている依頼者の代理人として出願書類の作成代行やアドバイスなどを行うほか、特許関連の契約サポートや権利紛争に伴う裁判の代理人として依頼人のために働きます。
「弁護士」とは?
「弁護士」とは、「法律関係の相談や訴訟代理人を手がける法律職」です。
刑事裁判や民事裁判など裁判で被告人の代理人として働くのが「弁護士」です。
日本では被告人の権利保護のため刑事裁判では弁護士を代理人につけるよう義務付けられています。
「弁護士」は法律知識に乏しい人の代理人として依頼者の利益を守るため法律を武器に戦う仕事です。
裁判での代理人業務の他にも法律関係の相談や紛争の仲裁、遺言書など法的効果が認められる書類の作成及び管理、企業の法律顧問など法律に関する知識を活かしてさまざま要望に応える法律の専門家です。
「弁理士」と「弁護士」の仕事の違い
「弁理士」と「弁護士」の仕事の違いは「業務の範囲」です。
どちらも法律に関わる法律職ですが「弁理士」が知的財産法に関連する特許業務のみを手がけるのに対し「弁護士」は法律全般が業務範囲です。
どちらも国家資格ですが「弁理士」よりも「弁護士」の資格が上位に位置するため「弁護士」資格があれば試験が免除され研修のみで「弁理士」として活動できます。
「弁理士」と「弁護士」の仕事の違い(給料面の考察)
「弁理士」の平均年収650~1500万円に対し、「弁護士」の平均年収は700~2000万円となっています。
どちらも仕事も依頼件数や顧問を引き受ける企業の規模に応じて収入に差がつきます。
駆け出しのうちはサラリーマンと大差ない収入からスタートしますが多くの依頼をこなせばどんどん収入が上がりトップクラスになると5000万円近い年収が見込める仕事です。
まとめ
「弁理士」と「弁護士」は似たような名前ですが仕事内容はまったく異なります。
特許代理人と法律代理人という違いで区別されるので混同しないように注意しましょう。
法律家の中には両方の資格を有している人もいます。
将来法律の道に進みたいのなら仕事内容を知った上でどちらの道に進むか検討してください。