この記事では「裁判官」と「裁判員」の違いについて説明していきます。
「裁判官」とは?
司法権を行使して裁判を行う官職を指す言葉で、非常に難関ではあるものの、自分の意志で就職することができます。
裁判所の裁判を担当し、原告と検察官、被告と弁護士の話を聞いていき、中立公平な立ち位置で判決を下すという役割を果たす仕事です。
裁判官になるには司法試験に合格し、司法修習研修所で実務を学んでいき、修了試験の考試に二度合格して修了となりそこから裁判官になる道が開けます。
2022年時点で裁判官自体は4000人弱が在籍しています。
毎年データが発表されているわけではありません。
下級裁判所の裁判官と最高裁判所の裁判官では待遇が異なり、最高裁判所裁判官国民審査という制度があり、最高裁判所の裁判官は選挙で罷免が可能になっています。
データとしてはほぼ信任が続けられています。
「裁判員」とは?
裁判員裁判制度は2009年5月21日から始まった制度で、日本においてこれ以前には存在しないものとなっています。
市区町村の選挙管理委員会が,衆議院議員の選挙権を持つ人の中から、裁判員候補をくじで選んで名簿を作り、候補者に通知し、辞退の意志がない人、辞退理由などが不適格な人などからさらにくじで選定して、ひとつの裁判において6人の裁判員が選定されます。
そのため自由意志で裁判員になることは不可能となっており、特に経歴も一般的なものであれば公平に選ばれ、裁判員になりやすい職業などは存在しません。
裁判所において刑事事件の法廷に立ち会い、証人等に質問もすることができます。
裁判官と議論を行い最終的には評決をとるところまでは進みますが、裁判官の同意がないと通らないため、裁判員と裁判官の意見が割れた場合は裁判官の意見が優先されます。
そのため裁判員全員の意見が一致しても判決にはならないことがあり、裁判員の意義が問われる自体にもなっています。
「裁判官」と「裁判員」の仕事の違い
「裁判官」は裁判に続けて関わっていくという前提があり、業務として裁判を行いますが、「裁判員」はくじによる選定で自由意志ではなれないものとなっており、一人で一つの裁判を行うのがほぼ限界と考えられます。
業務ではありませんが、休業手当は出ます。
法律の知識などは裁判員においてはそこまで必要とされていません。
裁判官は司法試験を通る必要がある点が大きく異なっています。
「裁判官」と「裁判員」の仕事の違い(給料面の考察)
「裁判官」は給料が月23万円程度からスタートして、最高裁判所長官であれば月200万円程度の給料となります。
「裁判員」は給料は出ませんが1日当たり8000円の手当が支給されることになっています。
ただし仕事は休む必要があります。
まとめ
「裁判官」と「裁判員」では裁判官は職業ですが、裁判員は臨時的に決められるもので職業ではありません。
裁判員にも手当は出ますが、収入を得る手段にはなりえないでしょう。