「~の由」とは?
ビジネスでの使い方や、敬語での言い換え方法などについて、分かりやすく解説していきます。
「~の由」とは?
はじめに「~の由」の意味を解説していきます。
「由」は「よし」と読みます。
これは「理由、わけ」の意味を持つ言葉です。
これは「由」という漢字が「理由」の「由」であることからも、なんとなく推察できるのではないでしょうか。
ビジネスでは、主に挨拶文で「由」という表現を使用します。
よく目にする「ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」などの挨拶文があります。
この「ことと」の部分を「由」に置き換えられるのです。
たとえば「ますますご清栄の由、お喜び申し上げます」という言い換えが可能なのです。
最近では、あまり見かけないので少し驚くひともいるかもしれません。
しかし、このような使い方は、比較的一般的な表現方法として知られているのです。
「~の由」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
それでは「~の由」のビジネスでの使い方・使われ方には、どのようなものがあるのでしょうか。
たとえば、あなたが取引先の各社に挨拶状を書くことになったとします。
しかしあなたは、いままに挨拶状を書いた経験がありませんでした。
普段のビジネスメールで使用する「いつもお世話になっております」では格好がつかないのです。
このような場合には「貴社においてはますますご清栄の由、心よりお慶び申し上げます」と記載するとよいでしょう。
この言葉を使う場合の注意点は、廃れつつある表現だということです。
わざわざ消滅寸前の表現を、しかも挨拶文で使用するべきかは、賛否両論ある事でしょう。
しかし、格調高い表現ともいえます。
そのため、使う相手や、使う文書の性格を踏まえて、適切な表現を選択するべきだと言えるのです。
「~の由」を使った例文
ここでは「~の由」を使った例文を挙げていきます。
例文のように定番の挨拶フレーズに組み合わせて使用すると、自然な表現が成立することでしょう。
・『貴社ますますご盛栄の由、お慶びします』
・『貴社ますますご盛栄の由、お慶びいたします』
・『貴社ますますご盛栄の由、お慶び申し上げます』
「~の由」の類語や敬語での言いかえ
それでは「~の由」の類語や敬語での言いかえには、どのようなものがあるのでしょうか。
「~の由」の類似表現
まず「~の由」の類似表現について解説します。
「の由」は「ことと」との言い換えが可能です。
表現は異なりますが、意味は概ね同じになります。
「~の由」の敬語表現
「~の由」を単独で敬語表現にすることはできません。
敬語表現にする場合は、語尾などで工夫する必要があるのです。
たとえば「~のことかと存じます」などの方法です。
まとめ
このように「~の由」は、挨拶文で使用することの多い表現方法のひとつです。
しかし、現代では少しずつ使われなくなってきているので言い換えも検討するとよいでしょう。